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読書感想文「無分別 (エクス・リブリス) (オラシオ・カステジャーノス・モヤ)」

この本を読んで、私は、よくもまあ、こんな暗い題材なのに笑える小説を書けるもんだなと思った。この小説の主人公はある国家の軍隊による先住民の大量虐殺のレポートを作るために、原稿の校閲の仕事をしていくというのがこの小説のあらすじだ。
 
小説の始まりからして、さっそく凄惨な虐殺の描写を読んで、主人公は自分の精神状態がおかしくなり始めているのではと疑っている。そのあとで、自分の仕事環境やら新しい上司への小言が続く。正直、文章を読んで受けるイメージは陰惨なものばかりで、主人公の仕事への愚痴を延々聞かされるようで代り映えなく、最初はページを読み進めるのがつらかった。
 
読み進めても、終始主人公は自分の仕事のことやこの国を支配する軍隊への恐怖に付きまとわれている。ただし、主人公はそれだけでなく女を抱きたいとつねに思っている。自分の現状には悲観しているがそれとは関係なく若い女性を探し、どうにかして一夜をともに過ごそうと努力しているのだ。
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仕事上や自分の境遇面ではうじうじ悩んでいるくせに、女性関係には積極的な主人公を見て、人生は与えられた境遇でどう楽しむかだよなと考えさせられた。また病んでいる主人公は女性との食事中に虐殺報告の中から自分の気に入ったフレーズを読み上げて相手を引かせるという仕事に引きずられる小市民っぷりも持ち合わせている。
 
仕事とプライベートは切っても切り離せないところにあって、女性にそんなことは理解されないけども、主人公は不器用にもがこうとしている。その姿はなんとも哀れで滑稽で、それでも自分と重なって笑えない部分もある。彼はその日の気分や周りの人間のせいにしてよく仕事をサボり、そのくせワンナイトラブを求めて奮闘する。
 
私には彼はヒーローでなくどこにでもいる現代的なサラリーマンに思えた。仕事はうまくいかないし、デートには失敗するし、仕事内容のせいかストレスのせいか、どんどん精神面は危うくなっていくしと散々な目にばかり会う主人公。それでもとりあえず仲間と会って酒を飲んだり、次の女に手を出したりと次のアクションへ移るのがとにかく早い。
 
自分のやりたいようにやる、人には文句を言う、自分の身が一番かわいいに決まってんだろと言いたげな自分本位の主人公には道徳なんて面倒だし、やりたいようにでいいんだよなと思わされた。
 
(20代男性)
 
 
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