私は海外旅行に行くのが好きだ。世界には自分の知らない世界が無限にあり、そこで出会う人との交流は自分にしか得られない最高のものである。この小説は自分が旅をしたときに感じたことと部分的に同じような体験が書かれていて共感できる点が多くあった。
作者の沢木耕太郎は作家である。当然ながら感情や思ったことを活字にするのが非常に巧みである。私が旅先で感じた言葉にできないような不思議な感情を活字で表していたりする点が多くあり作家が旅行記を書くことの意義を感じられた。
この作品の魅力はその土地の観光名所や名物などに焦点が定められているのではなく、その土地の人とのコミュニケーションがメインになっているところである。特にインド編やシルクロード編では日本では絶対に会うことのできないような人々との交流が書かれていて読んでいてその光景や空気を想像するだけでも楽しい。
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この作品を通して描かれているのは旅の楽しさ、人との繋がりである。この旅を始めるきっかけになったのはふとした思いつきからである。しかし、その思い付きの無計画の旅の楽しさが要所要所に感じられる。自由に思いつくがままに行動する旅の魅力は人との繋がりである。このような無計画な旅をしていると問題がたくさん発生して右も左もわからないまま一人ぼっちになることが多々ある。
沢木耕太郎もアフガニスタンやパキスタンなどで人の助けをかりて旅をしていたが、どこからともなく旅する人に助けてもらい何とかする場面が多くみられる。この場面が私は好きだった。印象に残っているのが、著者が道に迷って困っていて老人に道を尋ねた場面である。道を尋ねたはいいが言葉が通じなかった。
しかし、相手は現地の言葉、自分は日本語であったが言葉がなぜか通じたという描写があった。これは見知らぬ地でも相手の身振りや、表情や環境などでなんとなく言葉がわかるということである。旅をしているとこのような経験をすることがあるが沢木耕太郎はこれを絶妙に表現していた。これは一例であるが旅好きの私は共感できる点が多く楽しみながら読めた。
(20代男性)
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