読書感想文「明治・大正・昭和華族事件録(千田稔)」

華族とは旧公家、旧諸侯、国家に貢献した者などに政府が与えた身分であるが、庶民の憧れでもある華族で、このような事件が起こるとは驚愕の思いしかありませんでした。
 
主な事件は一般人の事件と全く変わりがなく、華族であるから一般的な事件が起こらないと思うほうが間違いだと言うことを痛感させられました。華族であるともやはり人間であり、感情があるわけで、当然恋愛があり、好き嫌いがあり、友情がありと読んでいてむしろ親しみを感じた部分のほうが多かったです。
 
事件として一番多かったのは恋愛から派生する事件が多く、これには非常に人間くささを感じました。逆に意外だったのは金銭からくるトラブルで、これが案外少なかったのには驚きました。
 
著者が取り上げなかっただけかもしれませんが、膨大な資産を相続するときには当然起こるであろう問題については華族自身あまり関心がなく、むしろ感情的な部分でのトラブル(恋愛、嫉妬など)が多いのには意外性を感じざるを得ませんでした。
 
事件としては殺人、情死、不倫、詐欺などが多いのですが、殺人、情死、不倫については恋愛がらみの事件であり、いかに恋愛から派生した事件が多いかを考えさせられました。

 
 
 
特権階級でもある華族は私たち庶民から見れば政略結婚が多いので、そのときできなかった恋愛については私たち以上に貪欲なのかもしれません。特に情死、不倫についてはあれだけの豪奢な生活を棒に振ってもそれをなしとげたいと言う気持ちには感服しかなく、死んでもそれを遂げたいと思う思いについては頭を下げるほかありません。
 
私たち庶民でもそれは少し理解できますが、あれだけの財産を棒に振ってまで情死したいのかと思うと、まだ我慢して家庭、財産を守るほうがいいと思うのは私が庶民からなのでしょうか。
 
とにかく華族の恋愛については私たち庶民以上に貪欲であると言うことを感じさせられました。華族であると私たち以上に対面を気にするものだと言う思いが、この本を読んで吹き飛んだと言うのが率直な感想です。
 
(50代男性)
 
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