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読書感想文「サマーウォーズ(岩井恭平)」

本書を一読した限りでは、情報を整理し、ストーリーを追い、キャラクターを把握するだけで精いっぱいというのが本音だった。だから、何度も何度も読み返した。頭の中に「絵」を思い浮かべても、それは当然、読者である私の頭の中にある勝手なイメージや、好みや、知識に固有なイメージとなる。サマーウォーズの内容は、未来世界っぽく、またタイトルにウォーズとある。私がこの作品を手に取ったのも、この題名が目に入ったからだった。
 
おまけに、戦国時代の徳川軍との合戦がどうのこうのと出てきた。自分の中に浮かんだイメージは、時代劇風で、かつ、近未来的な映像イメージだった。ただ、インターネットでアニメ映画の場面写真を見たら、田舎のほのぼのとした感じで、とても驚いた。本書は、まず先に映画ありきの小説だと思った。筆者の裁量で読者の自由なイメージを喚起したり、筆者が方向付けたいイメージへ誘導したりすることは求められていなかったのかもしれない。あらためて、イメージと、文字というものの関係を考えさせられた。
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ストーリーとしては、両親が不仲な家庭の文系の少年が、剣道部で生徒会長で学園のアイドル的存在だが、実は恋に奥手な少女と恋をするところがとても面白いと思った。現実にありそうでないところが好きだった。ラブマシーンが人々から奪おうとしているものが、小さいころから妾の子と蔑まれ、さみしい思いをし、10歳で母を亡くした侘助が心の底でほしいと願っていたところも印象に残っている。仮装キャラクターである「アバター」であっても、「かけがえのない大切な人を守りたいと願う、ごく普通の家族たち」の意志が伝わってくるところに、感涙した。何度も何度も視界が涙で遮られた。
 
 
親戚一同が勢揃いした食卓の場面もよかった。栄の遺書にあった「家族同士、手を離さぬように。もし辛い時や苦しい時があっても、いつもと変わらず、家族みんなそろってご飯を食べること。一番いけないのはお腹が空いていることと、一人でいることなんだから」という言葉も心に響いた。家族と一緒に居ることの大切さを学んだ。
 
(10代女性)
 
 
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