ある一人のアメリカの建築家を知る為に私はこの本を探した。それは私の読んだ本の中で一番分厚いながらも捨てられない本だ。この本の中には、私の中の深いところににみなぎっている想いが詰まっている。私の運命の本である。様々な登場人物達の個性、境遇、考えが織り交ぜられ、物語は進んで行く。彼らの人生を客観的に捉えながら読み進めていくと、彼らの語った様々な「哲学」が心に響き、毎晩眠る前に考えるようになった。
「自分の欲望に素直に生きること。」「他人への依存はやがて破滅へ向かうということ。」「本当のプライドは決して折れることはないということ。」「どんな困難でも、諦めないということ。」「全うすると決めた仕事に終わりはないこと。」「一人の人間が残すものに、果てしない可能性が広がっていること。」「いっそ他人を見ないこと。」「人を愛することの本質。」この本が伝えているのは、究極の個人主義。
日本では、利他的であることや、人に優しく、人の為に何ができるかが求められ、常に協調性が叫ばれているが、この本は真逆のことを言っている。それでも全てがストンと腑に落ちてしまうからずっと不思議だった。自国の教育にうんざりすることはない。私を育んでくれたのは紛れもなく素晴らしい教育と、他人との関わりのおかげである。教育をもまともに受けられない国があることを考えれば、義務教育があるだけでも幸せに生かされているのだ。
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ただ、義務教育を否定する気はないが、ある程度賢さを身につける大人に成っていく過程で、私たちは自分が信じていくものを自分で選ばなくてはならなくなる。人生を切り開いていくのは自分である。一度しかない人生なのに、たくさん回り道をしたり、迷ったりして、なかなか前に進めないこともある。根が真面目な日本人は、頑張りすぎてしまったり、どうしたらいいか、自分で決められないといったことが起こってしまう。何もかもが順風満帆な人はいないはずである。
しかし、個人主義を貫いた主人公の物語を読んで、改めて自分という「個」をしっかりと確立し、プラスして、自分の中にある可能性を強く信じ、利他が活きれば素晴らしい生き方につながっていくと思うのである。「個」があってこそ、初めて自分で考え、人生を取捨選択できると思うし、それが本当の意味での「学び」ではなかろうか。私はこの本からそういう風に受け取り、自分の人生を歩んでいる。
私には、一生をかけて成し遂げたいことがある。この本を開けば、挫けそうな時もいつも思い出させてくれる。この分厚い1000ページ2段組みの本を開くことなく、手に取っただけでもだ。この重みを夢中になって読み進めたあの日がある。この本に出会って、自分のやりたいことを、前以上に忠実に行うようになったし、その為にやり方を考えるようになった。当然、辛い事や犠牲になる事もあるが、この本に出会う前のように迷ったり、不思議と辛いとは感じないのである。
自分で決断した個人としての生き方は、決して裏切らない。いつでも私は私である。これからもずっと。だから、自分らしく生きることに迷っている人にこそ読んで欲しい。人生の中で一番辛く落ち込んでいた時に出会った本だから、尚のこと心に刻まれたのかもしれない。
(30代女性)
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