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読書感想文「チーズはどこへ消えた?(スペンサー・ジョンソン)」

「チーズはどこへ消えた?」の読書感想文①

元々読書に興味がなく、人生で完読した本は3冊程度しかない私が半ば強制的に読まされた本だ。2000年に発行され今までロングヒットをしている本らしいが、私は手元にするまで見たことがなかった。そのくらい本に興味がなかった私が会社からの宿題ということで読み始めた。
 
読み始めると初めのほうは内容が幼稚でイライラしながら読んでいたが、進めていくとその深さに引き込まれた。胸に「ぐさぐさっ」と刺さる言葉が多く途中読むのをやめてしまおうかというくらい今の自分に刺さる言葉が多かった。「そんなことわかっているよ」と。
 
どちらかと言うとこの本で気づかされるというよりも、自分ではわかっている、気づいていることを再確認させ考えさせてくれるという感覚の本といったところだ。この本の良いところは、本編の前と後に同級生同士のやり取りがあるところだ。私はネガティブ志向になりがちなので、その部分がなければただ単に現状を再確認するだけで終わったのかもしれない。
 
なかなか自分の弱音を話せる人は少ない。ましてやこれからどうしたいかという野望や夢を人に言う機会はこの年になるとないに等しい。しかしこのディスカッションによって、自分の気持ちを素直に話す「同僚」「同級生」「友達」と悩みや夢を語り合ってる気分になれた。
 
自分は登場人物の誰なのか、ほんとは誰になりたいのかを考え、さらに本の内容ではなく、仕事やプライベートで自分はどうしたいのか、「問題」ではなく「課題」を考えるきっかけとなった。私がこの本を読むきっかけとなったのは、会社の数少ない人材育成に選ばれたからだった。この本を読んで確実に気持ちと行動の変化が現れた。会社をより良いものにするためにどうしたら良いのか心に秘めたものを、口に出せるようになったのだ。
 
さらに、視野が広がった。今の業種だけではなく、多方面の業種に今の会社をよりよくするヒントが隠されているのではないかと、いろんな記事を読むようになった。そして本を読まない生活を続けていたため、文章力のなさ、語彙力のなさが発言を妨げていることに気づき、本を積極的に読もうと思い暇があれば本を読むようにしている。
 
この本は私を一つ成長させてくれた本でもあり、本に興味を持たせてくれた本である。少しうまくいかなくなった時私はこの本を読み返すようにしている。この私を初心に帰してくれる「チーズはどこへ消えた?」を一生手元に置いておこうと思う。
 
(20代女性)

「チーズはどこへ消えた?」の読書感想文②

人生とは予想外の展開が起きやすいものだ。状況は常に変化していくものである。人間は生まれて来る時は何も持たず置かれる環境、その場所さえも知ることなく生まれて来るのだ。本能で行動し、身体に伝わる感覚で心地良いから安心する、痛さで驚き泣き喚いて恐怖を体験して不安になるという思いも感じ取れるようになっていくのだ。
 
いい香りがするから嗅ぐ、嫌な臭いは消したい、良い音はなんだか楽しくなってもっと聞きたくなって要求する、反対に嫌な音は耳を塞ぎ拒絶するものだ。自分はこれら全てが成長に繋がって今の自分が出来上がっているのである。
 
とかく自分というものは嫌な思いをした経験は似たような事に行き当たると避けて通りたいので、別の道を探す。逃げ道を作り出すのだ。自分と本の中に居る者に自分を重ねて先を探すのだ。ただ待って時間を費やす者もいるのだ。待っているばかり、避けているばかりの人生はもう辞めよう、起こり得る変化を楽しもうではないか。
 
目の前にある美味しいものはいつもあるわけではない。消えることもあるのだ。いつも同じではないのだ。変わらない様に見えてもどこかが違ってきているのだ。たかだか美味しい食べ物が沢山ある、減ってきた、消えてなくなったので探して行くうちに又、美味しい食べ物に出会えた。まさにこれが人生そのものなのだ。
 
自分はたったこれだけの事でハッとさせられたのだ。今まで自分は逃げ道を探し廻る作業に多くの時間を費やすだけではなかったか、そこに喜びや楽しみがあるはずがないのだ。そこから得られるものは何もなかったのだ。何もしなくても失うことは沢山ある。ならば自分から探しに行こう、行動を起こすのだ。
 
何故かこれだけのことに勇気を貰った、勇気という力を得たことになったのである。自分の中でモチベーションが上がってきたのである。今までは遠回りをして避けた時は、何かに負けて逃げてきた気が付いてきたが、これからは自分から前に進んで行くのだ。自分から美味しい物を探しに出かけよう。
 
そこには、ワクワクする気持ち、それを楽しむ自分がいるのだ。自分の後ろには何も付いてこない。綺麗だ。これは自分の生き方を変えたのだ。愉快である。逃げ回ってばかりいた人生ではなかったが、先へ進むことが怖くなくなったのである。結果はどうであれ進むしかないのであれば喜んで先を探しに行くだけである。
 
自分は自信を得たのである。今後の人生はいつも自分の思い通りに出来ていない。変化はいつも起こる。これからこの世を去る時まで全て、自分の思い通り上手く行く事なんか絶対ないだろう。常に世の中は変化しているのだ。そういう事だ。自分の今後の人生は待っているばかり、避けるばかりじゃない。
 
先を楽しみにこれから出会う何かを見つけ出す方へ動き出す。仕事でもプライベートでも自信をもって自分を活かすことに常にいち早く変化に気づいて行動出来る自分にしていくだ。この本の中で自分の思いが動きだしたのだ。
 
(50代女性)

「チーズはどこへ消えた?」の読書感想文③

私がこの本を読んだのは高校2年生、17歳のときである。当時私は部活で悩んでいた事があり、どうしたらうまくいくようになるか悶々とした日々を送っていた。私がやっていた部活動はサッカーである。部員は30人程度で、そこそこレベルの高い学校であったため、そこには激しいレギュラー争いがあった。
 
毎日厳しい練習を重ねて、体のどこかに痛みがあっても我慢してなんとしてでもレギュラーを勝ち取らなくてはいけないと、全員が思っていた。そんな中で私は練習メニューを頑張ることはもちろんであるが、平行して心のトレーニングで周りと違いを出そうと考えていた。どんなスポーツも技術だけでなく、メンタルのトレーニングが非常に重要になってくる。
 
ひたすらに本を読み漁り、インターネットやスポーツ雑誌で一流のスポーツ選手の考え方や、トレーニング方法を学んだ。そうして高校2年になる頃に先輩やライバルを追い抜き私はレギュラーを勝ち取った。あとはレギュラーの座を守り抜くため、毎日同じように基本をしっかりとやった上で、メンタルトレーニングを重ねた。
 
私自身調子の良さを実感しており、まったく不安もなくプレーしていたのだが、ある日突然レギュラーを外される事になった。まったく予期していないことで、驚いて何も言えなかった。なぜなら私は試合でもポイントを重ねチームの勝利に貢献していたからだ。これは実感ではなく、客観的事実である。
 
まわりのライバルも私がレギュラーを外されたことを驚いていた。監督は何も理由を告げる事なく、私をレギュラーから外した。私は落ち込んだ。落ち込んで何もやる気の起きないまま、どうして外されたのか、何が原因だったのか、答えの出ない質問を自分にぶつけてもがいていた。そんな様子を見かねたのか、私の兄弟が家である本を勧めてくれた。それが「チーズはどこへ消えた?」であった。
 
この本を読んで私は復活した。立ち止まって悶々としていても、何も変わらない。自分の求めるもの=チーズを求めて私はいますぐ動き出さなければいけないと目を覚まさせられた。そしてまずはなぜレギュラーを外されたかを考える前に、自分で自分を見直し、できるところから改善していこうと考えた。
 
例えば挨拶である。以前は監督に良い評価をしてもらいたいと監督の前でしか挨拶をしていなかったが、誰が見ているなどは関係なく全ての人にまずはしっかりとした挨拶を心がけた。それから愚痴や不満を言うのではなく現状に感謝して、自分の求めるものにまっすぐ進んで行くこと。これを意識し始めたとたんに、スランプから抜け出せたような気がした。その後再びレギュラーを勝ち取ったときに、以前とは違う自分の意識を実感した。
 
現状に感謝して前に進むこと。監督がわたしにレギュラーを外した理由を言わなかったのは、こうしたことを自分で発見して成長させようとしてくれていたのではないかと感じた。3年生に上がる前に、もう1ステップさせようとしてくれていたんだと感謝した。
 
(20代男性)

「チーズはどこへ消えた?」の読書感想文④

作風として文章は物腰が柔らかく、スムーズに読みやすいため絵のない読み聞かせ絵本に近い印象があった。しかしその内容は人が持つ恐怖心や向上心を刺激するような内容だった。読んでいる中で大きく感じたことが変化に対し適応するか・維持するかという点に刺激を受けた。
 
私は元々安定志向で大きな良い変化を求めない代わりに悪くならないでほしいという考え方である。そのためストーリー中でチーズが消えた時、何もせずにチーズが戻ってくることを待った時の心情がよく理解できた(私自身、これまでも同じような選択を取ったことがある)。
 
しかしそれでは生きていくうえで大きな障害に直面したときに乗り越えられないということを作品を読んで実感した。作品の中では登場者が紆余曲折しながらも消えたチーズにしがみつかず、新しいチーズを求めてハッピーエンドに進んでいった。しかし社会人として仕事をしながら生きる私にとってそんなハッピーエンドは迎えられないことが多いことと、同じような選択に強いられることも多いと感じた。
 
現実には全てハッピーエンドには進まないが、自分の当時の状況と当てはめた時に「もっとこうしておけば、なぜ諦めた、なぜ行動しなかった」と後悔・反省することが多かった。そしてチーズを巡った物語が終わった後、そのストーリーを話していた人たちの話し合いにも感化された。自分がどの登場者に当てはまるかを考えた時、どう行動するかがとても分かりやすかった。
 
登場者は二匹のネズミと二人の小人だったが、それぞれが人の持つ特徴のパターンを反映させ行動していた。私はその中でも最後まで高度出来ずにチーズにたどり着けなかったタイプだった。行動したものから成功(チーズにたどり着く)していく中、取り残される不安と行動できない葛藤はとても共感できた。
 
自分はこうなりたくないとさえ思えるほど危機感を感じることも出来た。もし作風が小難しい話ばかりだったらこんなに作品に入り込むことはなかったと思う。構成がとても簡単で入りやすいこともこの本の魅力と感じた。
 
(20代男性)

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