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読書感想文「かえるのエルタ(中川李枝子)」

小学低学年の頃読んだ記憶があるが時期は定かではない。何歳だったのか、どうしてどうやってこの本を手にしたのかも遠い記憶の彼方ではっきりとは覚えていない。実際のところ内容もほとんど覚えていないのが原状である。
 
拾ったおもちゃのカエルに雨水が当たると命が宿って、主人公と一緒にカエルの王国のようなところに行くような内容だったように思う。たぶん、この本が生まれて初めて自ら手に取って読んだ本ではないだろうか。漫画ならともかく、字だけで埋め尽くされたような本を読むのは、子供にとっては非常に苦痛なのである。
 
それが、読み続けているうちに感情移入が出来ていつの間にか最後まで一気に読み込んでしまったのである。現実ではあり得ない絵本のファンタジーが心に残り、子供にとって何か大切なものを得た感覚が残った。幼稚園の頃から鍵っ子で育ってきた私は、外に遊びに出られない雨が大嫌いだった。
 
誰もいない家にたった一人で居るのがどんなに寂しいものなのか経験者にしか分からないことだろう。やはり、この本を読んだ日も雨で暇だったから読んだのだろう。その状況が余計に感情移入しやすかったのかも知れない。それが、この本を読んでから雨の日が好きになったのである。
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屋根から地面に滴り落ちる雨垂れを見ては、ため息をついていた自分が、じーっと一人で見ているのが苦痛ではなくなったのだ。雨垂れを見ながら、心はエルタの世界に行っていたのだろう。大人になった今でも、土砂降りは別であるが雨はさほど嫌いではない。決してファンタジーの世界に浸っている訳ではないが、ロマンティックな感じがするのだ。傘を差しながら公園を散歩する。傘を差すというのも優雅な感じ、大人の感じがするのだ。
 
そして、美術館に向かう。さんな気分になるのだ。この本が読書の切っ掛けになったのだろう。その後、小学生の頃長期入院した時に本格的に本を読み始め文学少年に変わっていた。今まで読んだ本は、数えてはいないが千冊を越えると思う。最近の本は、読み終えると心に残るものが少なくなってしまった感じがする。
 
それは、自分が大人になって感受性が薄れてしまったためか、それとも本の書き方が変わってしまったからかもしれない。むかしは情景描写主体で、主人公がなぜそう感じたのかが良く分かり、すーっと本の世界に入って行けたように思う。今は会話が主体で、本を読んでいるというよりテレビの一コマ一コマを読まされているように感じてならない。
 
「かえるのエルタ」のような名作がいつまでも残っていてほしいと切に思う。誰かが言っていた。古典こそが新しい。まさに長きに渡り生き残ってきた本は、名作の名にふさわしく今読んでも新しい。
 
 
(50代男性)
 
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