読書感想文「不夜城(馳星周)」

映画になっていたので、どんなものかなと気になって手にした。読むうちにどんどんのめり込んで、読み終わってからすぐに続編を探しに行って、完結編まであっという間に読み終えてしまった。あまり馴染みのない新宿歌舞伎町を舞台に繰り広げられる金、欲望、暴力の世界に引きずりこまれて馳星周さんのファンになるきっかけとなった本である。

 

1人の力で生き抜くために、また自分が貧乏クジを引かないためにもありとあらゆる手を尽くして、周囲の人を騙し裏切り、最後には愛する人も殺してしまう。自分の生きている環境の中でそこまで激しいことは起こらないが、生きることの大変さとつらさが伝わってきて、また常に情報を収集し周囲を観察し、出し抜こうとする姿勢は、自分の仕事にも必要なことではないかと考えるようになった。

 

もちろん命までは取られることはないが、自分だけ得をして周りを裏切ったりするような人もたくさんいるので、常に相手の出方をうかがいババを引かないようにしていく生き方も必要なことだと強く感じるきっかけになった。ただ主人公は、自分が裏切るからこそ周囲の人間を信用できなくなり、さらに周りを裏切ったりするようになったりして、負のスパイラルに陥っているようにも感じた。

 

 

 

周囲を気にして自分を守ることはもちろん大事なことだが、敵を作るばかりの生き方では、最後には自分に返ってくるような気もした。小説の中では、最後に恋人を殺さなければならない状況に追い込まれていく。自分の身を守りつつ周囲を見渡しながら、一緒に戦っていく家族や仲間を築きあげていくことが一番大切なことだと改めて認識した。

 

ただのバイオレンス小説だと思って読んだところ、思いもよらず人生や生き方について考えるきっかけになった。読後は、とにかくよく相手の話すことを聞き、観察するように心がけるようになった。そうすることで、相手が自分にとってマイナスになる人間なのか、信用出来る人間なのか、判断するようにしている。仕事上では、騙されたり、うまくいかないこともたくさんあるがこの物語で読んだことはきっと自分の生活するなかでも役に立つと思う。

 

(30代男性)

 

 

 

 

不夜城 (角川文庫)

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