「シャーロック・ホームズの冒険」の読書感想文
本書には「まだらのひも」と「青いルビー」の二本の作品が掲載されており、とても読み応えのある内容だった。一作目の「まだらのひも」では主人公シャーロック・ホームズと助手のワトスン先生の住んでいる下宿を訪れた女性の依頼を受け、「まだらのひも」という謎の言葉を残し死んでいった女性の姉の死の真相を追うべく、謎の屋敷に乗り込みその真相を追及していくという内容となっている。
二作目の「青いルビー」ではクリスマスの日にホームズ達の下宿の近所に住むなんでも屋のピーターソンが仕事場から帰る途中に酔っぱらいが起こした騒動により偶然、帽子とガチョウを手に入れて、クリスマスのごちそうにそのガチョウの腹を裂いていると胃袋の中から5日前にコスモポリタンホテルで盗まれた当時価格で1000ポンド以上する宝石「青いルビー」が出てきて
そのガチョウはどのような販売ルートを経てきたのか、いかなる過程を経てそのガチョウがの胃袋に「青いルビー」が入ったのか、ガチョウの胃袋の中に誰が青いルビーを入れたのかをホームズがワトスンとともに追うという内容だ。
本書の内容としてはメインが「まだらのひも」で「青いルビー」はそのおまけとしてついているような感じである。一作目の作品では結婚を控えた姉を自然死に見せかけ殺した意外なトリック、吹っ飛んだ頭とものすごい腕力を持った姉妹の父親、姉妹と父親が住んでいた怪しい屋敷、屋敷内の部屋のレイアウト、屋敷で夜中に鳴り響く謎の口笛、そしてまだらのひもの正体に驚愕した。
二作目では様々な手を使い、如何にしてガチョウの胃袋の中に宝石が紛れ込んだか、帽子の持ち主からガチョウの事情を聴いたり、そのガチョウを卸している業者から事情を聴いたり、あの手この手を使い、その犯人の正体に迫る主人公たちの姿にワクワクした。
私が本書を購入したきっかけとしては読書感想文の課題の選考に迷っていた時に「名探偵コナン」の第一巻で作中の主人公江戸川コナンの体が小さくなる前の探偵工藤新一がシャーロック・ホームズを褒めちぎる内容のことを言っていたことに興味がわいたので本書を購入した。
当時、「名探偵コナン」の他にも「金田一少年の事件簿」等様々なマンガの探偵作品が流行していたが、当時流行していたマンガ作品の結末が大抵警察に逮捕されたり、追い詰められた犯人の自殺等で終わりだったのに対し、本作では最後の最後で犯人は偶然の事故で死亡したり、あるいはあまりに小心者過ぎるためホームズが情けをかけて見逃してやったり、小学生当時の私では予想できない、文字通り予想外すぎる結末が用意されていた。
そしてこの本をきっかけにコナン・ドイル他のホームズ作品にものめりこんでいった。私にとっては文学に目覚めていったきっかけの一作品である。
(20代男性)
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