読書感想文「みだれ髪(与謝野晶子)」

与謝野晶子の詩はたまにエッセイや新聞などで部分部分を楽しむことはあったが、改めて読んでみてこうやって本格的に与謝野晶子を楽しむのは学生以来だったので本当に新鮮であった。本を読むことは好きで金子みすずや樋口一葉など女性の作品は個人的にとても好きである。

 

特に与謝野晶子は当時の女性の最先端を走っていたということで、かなり奇抜な女性だったのであろうと思いながら読んだ。最初の印象は「みだれ髪」は与謝野晶子の短歌を集めたものではあるが、意外にも彼女の詩は有名なものは多くなく、ところどころに知らない詩があった。

 

子供のころの記憶が先行していたためにもっと多く有名な作品があったように思われたがそうではなかった。しかし、どの詩も力強く、特に与謝野鉄幹への愛情を表現した詩が大半ではあったが、その中には彼女の愛の強さを感じさせられた。

 

 

 

今はデジタル化された社会のために人と人とのつながりを感じにくく思う今日である。そんな時に彼女の愛に溢れた短歌を沢山読むと自分の中にある感情、喜怒哀楽だけではなく汚い部分や人間らしいネガティブな部分までも体内から出てくるようであった。

 

中でも一番好きなのはこの詩である。 「むねの清水あふれてつひに濁りけり君の罪の子我も罪の子」この詩は彼女の乙女のような恋愛をする気持ちと鉄幹との不倫関係になってしまったことへの罪悪感と二つが描かれていてとても共感が出来る。それにしても、これが当時雑誌に掲載されていたことを考えると本当に衝撃的だろう。

 

今でも不倫は公言することは決して難しい時代だ。それにも関わらず、何十年も前に、女性が発言をすることも難しい時代に女性が恋愛を歌い、政治を批判したりと激しい女性であるが自分の恋愛をせきららにうたった彼女は本当にカリスマ性が高かったのであろうと思う。

 

そしてまた、今読んでも古さを感じることもなく、むしろ新しさも感じるほどの綺麗な表現で私は好きである。もしかしたら、与謝野晶子の詩は説得力があるからこそ、今でも愛され続けているのかもしれない。

 

また、与謝野晶子の「みだれ髪」を読めば読むだけに思うのは愛というのは本当に人に力を与えるものなのではないかと改めて感じる。彼女の「みだれ髪」で掲載されている短歌のほとんどは鉄幹との恋愛中に描かれた詩である。一人の男と出会ったことで動かされた彼女の愛を考えると恋愛は数ではなく質なのだと言われているようである。

 

恋愛はどの時代でも変わることのないものだと思う。だからこそ、共感する人もとても多いのだろう。ここまでにも強く人を愛した晶子が羨ましい。今回の読書を通して短歌を読むということを久しぶりに出来てとても楽しかった。また、与謝野晶子がいかに時代の第一線の女性だったかを改めて知ることが出来てとても楽しい読書となった。

 

(30代女性)

 

 

 

 

 

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