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読書感想文「一九八四年(ジョージ・オーウェル)」

「一九八四年」の読書感想文①

「一九八四年」は、「ディストピア」という言葉を知ったきっかけの本だ。人間が一つのパーツとして扱われ、自由にものを言うことも、いや考えることも許されないディストピア。不自由な事が多い世界の物語だが、果たしてそれが不幸だということに直結するのか、そう疑問を抱かせる。
 
幸せの定義は曖昧で、沢山の人が幸せだと確信していれば定義は反転してしまいかねない。本当に美味しいお酒の味を知らずにいる人が大多数で、出回っているのもまずいものしかなければそれが「美味しい」事になってしまうというような。だが、全く知らなければそれで構わないのだ。
 
本文中にも新世代の感じ方としてそのような描写も見られる。どれだけ冷酷な管理者が居ようが、大義が自分の意に反することを唱えようが構わない、自分が中で勝手に違っていれば良いのだと。しかし物語はここでは終わらない。もっと冷徹に自我の摩滅を目論んでくるのだ。 
 
今の時代、ポジティブな事がかなり大げさに賛美されているように思う。常に前向きで楽観的な事がいかに素晴らしいか、どうすればそうなれるのかというハウツーで溢れかえっている。オーウェルの描く悲観主義が貫き通された世界を鏡で写して反転させたような感じだなと思う。
 
自分というものが完全に個ではなく、全体に吸収されてしまえば内なる反抗も無くなってしまう。そういうことは恐ろしい、嫌なことだと考える一方で、もしかしたら幸せなのかもしれないと読めば読むほど考えが強引に二つの極を行ったり来たりさせられる力のある小説である。いずれにせよ、今ここで生きているならいろんなことを知って自分で考えることが大切だ、この本を読むとそう実感せざるを得ない。
 
(30代女性)

「一九八四年」の読書感想文②

とても衝撃を受けた作品でした。わたしは未来の世界に特に希望とかは持っていなか買ったのですがここまで悲劇的に書かれている小説を読むととてもひやっとします。しかし今の日本をみてエイルとモテモじゃあないけれど、実際に起きてもおかしくないようです。例えば二重思考とかはすでにほとんどの日本人が持っている価値観だと思うしとても怖いがす。
 
学校教育もそう言う人間を作ろうと躍起になっている感もあり、現実に起こりそうてか怒っているんだなあと実感しています。人間こういったことを簡単に受け入れる日本人気質から見ても日本国民はみんなこの本を読むべきだと思います。 まず不思議だったのは、あれだけ抑制された世界ならさらに革命が起きてもおかしくないんじゃないかと思いました。 
 
日本人みたいに虐げられた環境でも特に革命を起こしていないような歴史を持つ民族なまだしも、舞台となっているのはアメリカが大きくなって統合されたイギリスってことを考えると、あんな監視されて抑圧された社会なんて暴動が起きてもおかしくないんじゃかと思います。日本人ならあんな世界でもぶつくさ言いながら生活してそうで怖いですが。
 
こういったことを始め、いくらか偏差値30台の歴史の知識でも不思議に思う所がいくらか見受けられました。頷けるところとしては上層部が富の再分配を拒んでいる点、これは過去から現代でも同様に思えるので非常に恐ろしく思いました。 ここから先を語ると非常に現代政治に対する自分の愚痴になるだけなので省略しますが、こういう現代でも実際にドンドン起こりえそうなこともいっぱいあって非常に恐ろしかったです。
 
また不思議に思ったのは家族の在り方について。夫婦も認めてるし、子供作りのセックスもきちんと推奨(快楽のためだと犯罪)しているあたり、厳格なキリスト教を思わせる感じなのが不思議でした。しかも子供を作ったら家族として愛情をもって育てろとか強制されてます。自分が行き過ぎた共産主義の統治者なら、まずこの制度を破壊して、子供を産ませたら専用の機関で育てさせますけどね。
 
夫婦別姓やらの話題が出てる現代日本の方がよっぽど行き過ぎている、家族を崩壊させたがってると思って感心しました。
 
(20代男性)

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