読書感想文「安楽病棟(帚木蓬生)」
「安楽病棟」の読書感想文 老いることは避けられないことだ。そして、超高齢化社会と言われる現在、介護は重要な問題だ。しかし、忘れてはいけないことは、認知症の患者であれ、生まれてからその人なりの個人史があることなのだ。この作...
「安楽病棟」の読書感想文 老いることは避けられないことだ。そして、超高齢化社会と言われる現在、介護は重要な問題だ。しかし、忘れてはいけないことは、認知症の患者であれ、生まれてからその人なりの個人史があることなのだ。この作...
「三匹のおっさん」の読書感想文① タイトルに惹かれ、この本を読み始めた。軽い気持ちで読み始めたがすぐにどこか、ただ物語を楽しんでいるだけではない自分に気が付いた。第一話にて定年退職した主人公キヨに、私は父を重ねてしまって...
「不夜城」の読書感想文 映画になっていたので、どんなものかなと気になって手にした。読むうちにどんどんのめり込んで、読み終わってからすぐに続編を探しに行って、完結編まであっという間に読み終えてしまった。あまり馴染みのない新...
「草枕」の読書感想文① 理不尽だと感じたり、割り切れない思いをすると、決まってこの本の冒頭部分を思い出す。人生には理不尽なことがつきまとう。その時に、自分にどう言い聞かせ、どう納得するのか。あるいは、どうやってあきらめる...
「タナトノート―死後の世界への航行」の読書感想文 高校一年生の時、祖父が亡くなった。私が初めて目の当たりにした「死」であった。その衝撃はとても大きく、冷たくなった祖父の身体に触れた時は、悲しみと、自分もいつかは死ぬという...
「闇の守り人」の読書感想文① 「闇の守り人」は、私が小学生の頃に母と友達に勧められて出会ったシリーズの本で、今でも心に残っている大好きな本だ。前作の「精霊の守り人」は、主人公たちが冒険をする旅の物語。私はその話も好きだが...
「ショコラ」の読書感想文 ショコラとは、フランス語でチョコレートという意味だというのは世間にあまねく知られていると思う。私がこの本を選んだのも題名が好物のチョコレートだという事と、題名が女性に好まれる内容を予想させたから...
「少女七竈と七人の可愛そうな大人」の読書感想文 桂多岐は愛の大きな人である。「やってられない毎日だ」彼女の言葉である。働くわたしと、てこでも働かぬばかな夫と、七歳から十七歳までの六人のこどもたちから成る戦場からもう十七年...
「幸福な食卓」の読書感想文 この『幸福な食卓』というタイトルに惹かれ、晴れやかな気分になると思い読み始めたのだが、少し読んで晴れやかな気分になるような本ではなかった。しかし、家族であって家族でなく、最初は違和感を覚えた家...
「風と共に去りぬ」の読書感想文① 当時、大学生だった私は友達に進められて何気なく読んだ1冊だった。「風と共に去りぬ」は、主人公スカーレットがアメリカの南部裕福な屋敷で気位の高い女性として育つた。スカーレットは、南部の古い...
「陽だまりの彼女」の読書感想文 私が陽だまりの彼女を読み、印象的だと感じた部分はヒロインの渡来真緒が実は猫だったということである。主人公の奥田浩介は中学生の頃、渡来真緒と出会い、クラスからいじめられていた真緒を助けたこと...
「生き方は山が教えてくれました」の読書感想文 「山に生きる」とはどういうことだろうか。最初はタイトルに惹かれた。ただそれだけのことなのに、私の見方や価値観を大きく変えることになる。私の見方を変えてくれたのは山の神様の言葉...
「白い犬とワルツを」の読書感想文 「きょう妻が死んだ。結婚生活57年、幸せだった。」この一文から、この主人公サムの人生とはどんなものだったろうと気になった。幸せだったって言いきれるってどんなものなのか。どんな素晴らしい人...
「おばあさんのひこうき」の読書感想文 この本は私が小学生の二年生か三年生かは忘れたが夏休みの読書感想文の宿題の為に学校の図書室で借りた本だ。当時どう感じたかは明確に覚えてはいない。だが、翌年の夏休みの読書感想文の宿題の為...
「容疑者Xの献身」の読書感想文① 衝撃の結末だった。私が推理小説というジャンルに興味を持つきっかけとなった作品である。もともと、本を読むことは好きな方であったが、読むのは専ら偉人の自叙伝や自己啓発本の類であり、小説のジャ...
「キッチン」の読書感想文① あの時はまったく知らなかった感情をいま、こんなにも抱えているんだ。吉本ばなな「キッチン」を初めて読んだのは中学生の時だった。母が買ってきてそれを借りて読んだのを覚えている。母は読みながらひどく...
「海」の読書感想文 表題作「海」では冷静さを保ちながら優しくいられるということがどういう空間であるかということを感じることができた。なぜ受け入れられるかをわざわざ考える必要もなく、自然に受け入れることとはなんと美しいこと...
「流星ワゴン」の読書感想文 この本は人生に自暴自棄になっていた主人公が、交通事故で亡くなった父子に遭遇し、ひょんなことからワゴン車で共に旅をしていく中でこれまでの人生を考え直していく物語である。私も常々、人生をやり直せた...
この本を買ったのは、タイトルが目に刺さったからである。「むかし僕が死んだ」とはどういうことだろうと興味を持って手に取った。主人公の男性の、どこか突き放したような、あきらめたような乾いた視線で物語は始まる。 私はこの、東野...
「ステップファザー・ステップ」の読書感想文 「僕たち二人くらい、面倒みられない?」突然13歳の双子の男の子にそう言われたらどうするだろう?あり得ない展開ではある。だって双子の両親がそれぞれの相手と同時に駆け落ちして双子だ...