感想ライブラリー

読書感想文「朱夏(宮尾登美子)」

宮尾登美子さんの作品は時代を背景に強く生きる女性を描いた長編が大好きだ。この「朱夏」は敗戦の混乱の中、想像を絶する苦難の荒波にもまれながら生き抜くヒロインの物語である。著者自身、満州に暮らした経験が随所に散りばめられてい […]

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読書感想文「ねじまき少女(パオロ・バチガルピ)」

まず、この本を手にとったのは舞台が珍しいと思ったからだ。舞台は近未来のバンコク。タイだ。あまりどころか全く小説でタイが舞台のものは見聞きしない。本書は海外SF小説であり、石油が枯渇した近未来を時間軸としている。そんな未来 […]

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読書感想文「津軽殺人事件(内田康夫)」

冒頭から太宰治直筆の肖像画の話などが出てくるため、津軽を舞台とした旅情ミステリーかと思いきや、社会派ミステリーでもあり、ちょっと酸っぱい恋愛もありの贅沢な小説であった。浅見光彦シリーズではかなり高確率で事件に絡む女性と浅 […]

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読書感想文「嘘を愛する女(岡部えつ)」

交際している彼は信頼のおける勤務先で働いていて、同棲していて、完全に信用しきっていて。そろそろ親にも紹介して次のステップへと思い結婚を切り出したとき彼が乗り気ではなくてスムーズにいかなくて。私との結婚が嫌なのか。周りがど […]

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読書感想文「アンダーグラウンド・マーケット(藤井太洋)[…]

今話題の仮想通貨の社会を描いたSF作品です。2015年に世に出た作品ですが、まさに今の2018年が舞台になっています。公平の名の元に引き上げられた税金は日本を階級社会に分断してしまいます。正社員になれてまっとうな人生を生 […]

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読書感想文「太宰治の辞書(北村薫)」

自分の中で、なぜか「青春小説」に分類されていた本シリーズの最新刊、主人公がいつの間にか私より年上かつ、年長の息子がいて、その設定にまず驚いた。しかし、主人公「私」の本に対する情熱は変わらず、出番は少なかったものの円紫さん […]

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読書感想文「虹の少年たち(アンドレア・ヒラタ)」

インドネシアの文学を始めて読んだ。インドネシアといってもどこにあるかわからないブリトゥン島が舞台の小説である。どこにあるかは、わからなくても風景の描写、特に貧しい漁村や海辺の町の様子はすごく細かく、東南アジア特有のにおい […]

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読書感想文「マリアビートル(伊坂幸太郎 )」

物語は、東京から仙台までの一台の新幹線の中で展開していく。一つのトランクを巡るてんとう虫、みかん、れもんの攻防と、中学生である王子と木村のやりとりが大きな2つの主軸となり、それらが互いに絡み合っていく。特に印象深いのは、 […]

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読書感想文「銀河鉄道の父(門井慶喜)」

賢治の父、宮沢政次郎は岩手県花巻で先代から営む質屋の主人である。学校の成績は優秀だったが、父親から学才は家業に必要ないといわれ、学問を追及することは頭になかった。境遇は違えど、私の父は経済的理由から大学進学をあきらめ、自 […]

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読書感想文「ペンギン・ハイウェイ(森見登美彦)」

「お姉さん」のような人間に会ってみたいと思った。だがお姉さんは人間ではなかったので難しいのかもしれない。お姉さんはボーイッシュな口調ながらも女性らしさを保っていて、とっても魅力的だった。アオヤマ君目線だからこそ、そう思う […]

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