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読書感想文「華岡青洲の妻(有吉佐和子)」

嫁・姑の関係は、普遍的で永遠だ。平成の御代になっても嫁・姑の諍いは絶えない。もう既読の方が多いと思うが、これは華岡青洲が麻酔薬を完成させた物語ではなく、華岡青洲の母と妻の争いの話だ。息子・雲平の愛を受けたい一心で、嫁と姑は争い・競う。
 
なぜ嫁と姑の仲が悪くなるのか、結婚したことがない私はわからない。既婚の友人から話を聞く程度だが、片方しかから話を聞いてないので何が悪いのかわからない。息子の嫁に対しては、母親は何かと小うるさく厳しいらしい。友人が「息子様は母親の恋人だから」といっていたが、名言だし適切な表現だ。
 
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親子だから恋人にはなれない。でも息子には、声がうらがえり、はしゃぎ、世話を焼きすぎるくらいに焼く。まるで恋人と接するようだ。息子に母親が甘いのは自分の家だけかと思っていたら、男兄弟がいる女友達は口を揃えて「私より兄・弟を母親は可愛がる」と返事が来た。華岡青洲も例外にもれず、実母に恋人のようにもてなされる。
 
姑・於継と嫁・加恵は、息子雲平が京都から帰ってくると、手のひらを返したように仲が悪くなる。実の親子のような間柄が、息子がいることによって急に敵対する。人体実験を申し出るのは、麻酔薬の開発に協力したいのではなく、息子・夫の注目を得たい一心だ。嫁に行ったことがない私は、それほど姑が息子かわいさで敵対心をむき出しにする理由がわからない。
 
夫が実母によくすると、嫉妬にかられる気持ちもわからない。華岡青洲は麻酔薬の開発に必死なふりをしていたとしか私には思えない。実母と妻の争いごとに巻き込まれないように、研究と仕事の没頭しているようにしか思えない。それは平成の御代でも同じ、男の人は実母と妻の関係には無頓着なのだから。
 
だから仕事に逃げている。自分が解決できない人間関係に、巻き込まれたくないのは見え見えだ。私は結婚したことがないし、これからもするつもりはない。嫁姑の関係に全く無頓着である。おひとりさまと気の毒がられる時があるが、姑などの家のいさかいに巻き込まれずにすむ生涯を送れると思うと、それはそれで幸せだと感じている。
 
(50代女性)
 
 
 
 

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