読書感想文「何者(朝井リョウ)」
「何者」の読書感想文① 就職活動に励む学生の群像劇かと思いきや、最後の最後で喉元にナイフを突きつけられる。「お前は何者だ?」そう問われているようで、とても恐ろしい気持ちになった。この小説は主人公を含む5人の大学生が就職活...
「何者」の読書感想文① 就職活動に励む学生の群像劇かと思いきや、最後の最後で喉元にナイフを突きつけられる。「お前は何者だ?」そう問われているようで、とても恐ろしい気持ちになった。この小説は主人公を含む5人の大学生が就職活...
「娘に語る祖国」の読書感想文 在日朝鮮人という存在を知り、自分がいかに楽な環境下に育ったのかを思い知らされる。 在日朝鮮人は日本人からはやれ朝鮮人だと馬鹿にされ、韓国人からはやれ裏切り者と非難され、どちらにも安定した身の...
「これは私が中学生の時に買ったんだがね」と言って、私は先生から一冊の歌集を戴いた。斎藤茂吉の『赤光』(岩波文庫)である。カバーもなく、所々に書き込みがある古い本だった。 四年制大学の文学部を出て、今はとある...
「袋小路の男」の読書感想文 人間と人間との間には非常に曖昧な要素が含まれている、私がこの本を読んで一番最初に感じたことだ。 特に男と女の関係性の中には少なくとも損得や愛情を得られるかどうか、性欲を満たせるかどうか、などと...
「嫌われる勇気―自己啓発の源流「アドラー」の教え」の読書感想文① 自分が他人に何か捧げる時に自分が相手に行って欲しい事を相手に望んではいけないのだと感じた。例えばのどの渇いた馬がいたとして、自分は湖まで馬を連れて行くが馬...
「名もなき毒」の読書感想文 今一冊の本を読んでいる。宮部みゆき先生の「名もなき毒」という本である。この本はドラマ化もされ御存知の方も多いと思う。ドラマをチラリと見て興味を持ったが仕事も忙しく一日中、上司の理不尽な怒りを、...
「幕末純情伝―龍馬を斬った女」の読書感想文 つかこうへいの作品はあまり読んだことがない。映画である『蒲田行進曲』を観たくらいだ。だから、ほぼ予備知識無く、「まぁ、『蒲田行進曲』みたいなノリだろう。」と思って読み始めた。す...
この本を手にとったのは、日本版監修者の名前に「重松清」とあったからだった。重松清の小説と言えば、読後しばらくはその中身について自分と向き合いながらも考えこんでしまうようなものが多い。少し自分と向き合う時間をとりたいと思っ...
今の時代にあった、独身のアラフォー世代の気持ちを上手く表現した作品である。東京に上京してきて、社会人として一生懸命にやって来て、新人や後輩、自分よりも若い世代に感じる思いが、アラフォーならば共感してしまう思いを上手に表現...
「図書館戦争」の読書感想文 あなたは図書館を利用したことがあるだろうか。日本においては公共の図書館を無料で利用することができ、小学校や中学校にも図書室などといったかたちで付属しているため、非常に身近な存在である。こういっ...
「クラインの壷」の読書感想文 1989年に出版の岡嶋二人による著「クラインの壺」で、SFとホラーの狭間に執筆された名作を楽しんでみた。 一昔前の1980年代、この頃コンピューターは家庭の日常になく、バーチャル・リアリティ...
「続氷点」の読書感想文① 『続氷点』は作家・三浦綾子の処女作『氷点』の続編である。1960年代の北海道を舞台にし、主人公・辻口陽子の苦悩と成長を描いた物語だ。最も印象に残っているのは、物語の最後、陽子が網走の“燃える流氷...
「アヒルと鴨のコインロッカー」の読書感想文① 伊坂幸太郎さんの小説の魅力といえば、登場人物の心をつかんで離さない不思議な発言の数々である。同著者の他作品である「ポテチ」では自殺を試みる女性を止めるために「キリンに乗ってい...
「旅のラゴス」の読書感想文① 人生は旅のようなもの、という比喩はよく目にする。実際にこの「旅のラゴス」は、ラゴスという主人公が現世とは違う不思議な世界を、人生をかけて旅していく物語である。特に筒井康隆ファンでもないので、...
「マドンナ」の読書感想文 私にとってこの短編集は「お父さんってそんなこと考えていたのか」と衝撃を受けた一冊だった。 会社に勤めること、サラリーマンの妻になること(自分が働く、働かないに関わらず)がどういうことなのかを学ぶ...
ストーリーは主人公の一人称が前半後半で変わる。まず前半は小学4年生の男の子の視野で描かれていた。まだとてもピュアで、世間の物の見方に自分の考えが侵されていない少年の考えに郷愁を憶えた。好きという気持ちも、友達に指摘される...
「なんくるない」の読書感想文① もっと楽に生きよう。この本を読んで心からそう思った。いつ行っても思うのだが、同じ日本でありながら沖縄は時間の流れが全く違う。とにかくすべてがのんびりしていて、こちらまで穏やかな気持ちになれ...
「秋期限定栗きんとん事件」の読書感想文 この作品は春期限定いちごタルト事件、夏期限定トロピカルパフェ事件の続編である。シリーズを通しての主人公は高校生の男女二人。どちらも小市民を目指していて協力し合っている。小市民を目指...
「ゼロ-なにもない自分に小さなイチを足していく」の読書感想文① 「なにもない自分に小さなイチを足していく」この図書はサブタイトルにこそ意味があると私は思う。堀江貴文氏の生い立ちから、ライブドア時代、球団、フジテレビ買収騒...
「神様のカルテ」の読書感想文① 4作目だというのにどうしてこのシリーズは、こんなにも毎回私の心を揺さぶり続けるのだろう。今回は、登場人物の過去の出来事を人物ごとに4つのエピソードに分けて紹介してある。どのエピソードも秀作...
「終末のフール」の読書感想文 この本で、私は「いかにして日々生きていくか」ということを学んだ。終末のフールは短編集だが、どの設定も「3年後に地球に隕石が落下してしまう」ということ。登場人物たちはどう生きるか悩みながらも、...