読書感想文「地下鉄に乗って(浅田次郎)」
「地下鉄に乗って」の読書感想文 常々「時間」という概念に興味を持っていた。浅田次郎の小説が好きで手当たり次第に読んでいる中でこの作品に出合った。タイトルからは単なる昭和のありふれた物語だろうと読み始めたが、読み進んでいく...
「地下鉄に乗って」の読書感想文 常々「時間」という概念に興味を持っていた。浅田次郎の小説が好きで手当たり次第に読んでいる中でこの作品に出合った。タイトルからは単なる昭和のありふれた物語だろうと読み始めたが、読み進んでいく...
「ノワール-硝子の太陽」の読書感想文 誉田哲也さんの「姫川玲子シリーズ」が大好きなのですが、グロい所が精神的に受け付けなくなると暫く読まなくなり、今回久々に「ブルーマーダー」を読み返し、受け入れ可能と判断出来たので「ルー...
「平成くん、さようなら」の読書感想文 安楽死を決めた青年、平成くんの物語で、恋人の愛ちゃんの視点から描かれている。サクサク読み進めることができてしまうが、なんだか希薄さを感じた。安楽死をこんなに軽いイメージで描いてよいの...
「口笛の上手な白雪姫」の読書感想文 文芸雑誌に掲載された8つの短編が収められている。どの話もそれほど時間をかけず読めたが、読み終えると完璧にできたある一つの世界から帰ってきたと言う感覚に陥った。どの作品も日常の何気ない出...
「82年生まれ、キム・ジヨン」の読書感想文 韓国で2016年に発表され、女性の共感を呼んで大ヒットとなった作品の日本語訳版を読んだ。主人公キム・ジヨンというごく普通の女性のこれまでの人生の中で、彼女が感じ体感した女性とい...
「金閣寺」の読書感想文 この小説には吃音と内飜足というコンプレックスをそれぞれ抱えた二人の青年が登場する。「青春時代が夢なんて後からほのぼの思うもの。青春時代の真ん中は胸に棘刺すことばかり」という歌の歌詞があるようによほ...
「物語のおわり」の読書感想文 湊かなえさんの作品は読んだ後にまるで心臓を直接つかまれるかのような読後感を味わうものが多いけれど、この作品に関しては読んだ後の感じ方がほかの作品とはちょっと異なっていた。まずもって、主人公が...
「ご主人様と呼ばせてください」の読書感想文 本作は、サタミシュウ先生の、SM青春小説の第二弾だ。前作「私の奴隷になりなさい」と繋がっているが、単体でも楽しめる。そして私は、前作「私の奴隷になりなさい」よりも、こちらのほう...
「ニシノユキヒコの恋と冒険」の読書感想文 第1章目で主人公と思しき「ニシノさん」はどうやら死んでいて、幽霊になって女性に会いに来るという話だったので、ファンタジー作品かと思った。しかし読み進めるうちに違うことが分かった。...
「十角館の殺人」の読書感想文 叙述トリック作品であると聞いてはいたものの、いわゆるどんでん返しにあたる一文を読んで本当に驚愕した。登場人物は日本人ばかりだが、お互いを海外の有名なミステリ作家の名前で呼び合っており、はじめ...
「湘南人肉医」の読書感想文 一言、カニバリズム嗜好のわたしには最高の作品である。とにかく主人公の残忍な殺害描写と人肉描写が鮮烈で異彩を放っている。美容整形の外科医をしている主人公の小鳥田は数多くの女性達を美しく変身させる...
「革命前夜」の読書感想文 この本を読むまで、私は「革命」という言葉の本当の強さ・重さを理解していなかったように思う。ベルリンの壁の崩壊は私の中では歴史上の出来事のひとつであり、紛れもなく「過去」のものだったが、壁のあった...
「蠅の王」の読書感想文 イギリスの少年たちが無人島に不時着し、サバイバル生活を送る中で、人間の狂気に触れていく物語。そんなあらすじと、希望溢れる名作「十五少年漂流記」の殺伐版として親しまれているという定評を聞いて読んでみ...
「猫鳴り」の読書感想文 モンと名付けられた一匹の猫の生涯と、猫を取り巻く周囲の人々の心情や出来事をそれぞれの視点から描いた物語。流産した夫婦が子猫を飼うことになるシーンから始まるのだが、私自身も何度追い払っても家に入ろう...
「熱帯」の読書感想文 森見登美彦の本は「夜行」くらいしか読んだことがない。「夜行」は世界観はものすごく好きだが、あらすじや結末は好みではない、という何とも微妙な印象で終わった小説だった。それ以来この著者の本は敬遠していた...
「十二人の死にたい子どもたち」の読書感想文 登場人物の十二人にそれぞれ、役割や見せ場を作ろうとするあまり、上手く登場人物を動かし切れていない場面が多々見られたのが残念に思った。また、男6人女6人の1対1の比率で書かれて居...
「殺人鬼」の読書感想文 何か怖いホラーが読みたいと思いネットを検索してこの本の存在を知った。事前の情報ではかなりグロいスプラッターホラーとのことだったが、綾辻さんてグロいの書くんだというのが最初の感想だった。読んでみると...
「スマホを落としただけなのに」の読書感想文 映画が話題となっていたので、気になり読んでみたことがきっかけだ。映画は観ていないので、どういう物語なのかは本の背表紙に書かれているあらすじしか知らなかった。読んでみて、SNSに...
「まつらひ」の読書感想文 子どもの頃から、祭というものは身近にあって、当たり前のように毎年恒例のイベントとして参加してきた。だが、一度その土地を離れてみると、地域の文化が色濃く反映される「祭」が、その土地のその季節でしか...
「ジャン・クリストフ」の読書感想文 この小説はベートーベンをモデルにしていると言われているが、ロマンロランはそう思ってほしくないと語っている。ロマンロランはノーベル賞受賞作家でもある。岩波文庫全4巻あるが、どれも500ペ...
「ダ・ヴィンチ・コード」の読書感想文 名画が関わっている推理小説で、最初に読んだのがこの『ダ・ヴィンチ・コード』だ。しかし、本書で取り上げられているダ・ヴィンチの絵は、いわゆる観賞用の作品とは言いがたいようだ。文庫本に綴...