読書感想文「殺人鬼(綾辻行人)」

何か怖いホラーが読みたいと思いネットを検索してこの本の存在を知った。事前の情報ではかなりグロいスプラッターホラーとのことだったが、綾辻さんてグロいの書くんだというのが最初の感想だった。読んでみると確かにグロかった。作品の7割程が惨殺シーンで、かつその状況が事細かに描写されているので苦手な人は最後まで読めないだろう。

 

確かに気持ちのいいものではなかったが、フィクションと割り切りスプラッター映画のような感覚で読めば行き過ぎた惨殺シーンはむしろギャグのようだった。もちろん映像ではとても見られたものではないと思う。文章だから普通におもしろおかしく読むことが出来た。綾辻さんが好き放題やりたい放題で書いた話なんだなと思った。

 

 

 

だからストーリー自体は深い話でもなんでもなく、ただ惨殺シーンのみでは面白くないので読者に対してとある仕掛け(トリック)を用意している、そんな話だった。私は綾辻さんの書くトリックが好きで、今回この本を選んだのは怖い話が読みたいということもあったが、どんなトリックが使われているのかというトリックに対しての興味もあったからである。

 

読み始めから私は一文一文気を付けて慎重に読んだ。読んだつもりである。あれ、何かおかしいなと思う場面はいくつかあった。にもかかわらず結局最後の真相が明かされるシーンまで私は気付かなかった。トリックは非現実的ではあるが、分かってしまえばややこしいこともない単純なものであった。

 

意気込んで読んだのに気付かない私はなんて鈍いんだ、騙された、悔しいというのがこの本を読んだ一番の感想かもしれない。けれど読者にヒントを与えつつ真相まで気付かせない、物語に読者を引き込ませる力はさすが綾辻さんだなと改めて感心した。大したトリックでもない、ストーリーも内容がないグロいだけの話と人によっては駄作と呼ばれかねない本だったが、まんまと騙されたのもあってそこそこに楽しめれたと思う。

 

(30代女性)

 

 

 

 

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