読書感想文「明日の食卓(椰月美智子)」
「明日の食卓」の読書感想文 冒頭からいきなりショッキングだ。9歳の「ユウ」という子が、親らしき人間の手にかかって虐待死をとげる。次いで、犠牲者と同年齢・同名の息子をもつ3人の母親の日常が交互に語られる。一人っ子の「優」を...
「明日の食卓」の読書感想文 冒頭からいきなりショッキングだ。9歳の「ユウ」という子が、親らしき人間の手にかかって虐待死をとげる。次いで、犠牲者と同年齢・同名の息子をもつ3人の母親の日常が交互に語られる。一人っ子の「優」を...
「サウスバウンド」の読書感想文 奥田英朗は、1999年「最悪」、2001年「邪魔」などのシリアスなミステリーを書いたと思えば、2004年にはコメディタッチの「空中ブランコ」で直木賞を受賞するなど、硬軟を自在に操ることがで...
「美しき愚かものたちのタブロー」の読書感想文 日本で本物の西洋美術を鑑賞できる場を作りたい、若者に本物の西洋美術に触れてほしい、そう願って持ち前の行動力、交渉力で自分の夢に向かって邁進した実業家・松方幸次郎。その松方の夢...
「ソクラテスの弁明」の読書感想文 古代法廷バトル、偉い人に難癖をつけられて法廷に引き出されたソクラテスが、相手を論破する。面白くてためになる本です。有名な、無知の知・「自分が無知であることを自覚できない、また、知らないの...
「花ざかりの森・憂国」の読書感想文 三島由紀夫の短編集、花ざかりの森・憂国を読んだ。これは、三島由紀夫本人が選んだ厳選集。さまざまな短編が収納されているこの一冊は、三島由紀夫を読んだことがないひとにもぜひオススメしたいと...
「縮小ニッポンの衝撃」の読書感想文 私は、この縮小ニッポンの衝撃を見て私の中に激震が走りました!当初、夕張市においては、無茶な市の政策から破綻になっていたことは、数年前にドキュメンタリーで見てから、理解しておりましたが、...
「ユダヤ人大富豪の教え」の読書感想文 「ユダヤ人大富豪の教え」という題名の本です。著者は本田健さんです。この本は、ビジネスについて書いてありますが、人生についてのヒントもたくさんあります。社会の仕組みを知ることや自分がど...
「一瞬の風になれ」の読書感想文 タイトル通り、爽やかな風が吹き抜けるような青春小説。序盤は少し読みづらいと感じたが、読み進めていくにつれて、高校生アスリート達のひたむきさや繊細な心の動きに引き込まれていった。主人公の新二...
「老後の資金がありません」の読書感想文 誰にでも考えられる身近な「お金」がテーマの小説で、夫と子供2人と暮らす、いわゆる普通のごく一般的な家庭のはずだったのに、気づいたら老後の資金がなくなってしまうというストーリー。それ...
「段ボールハウスガール」の読書感想文 主人公は杏という女性である。2年間の生活費200万円を爪に火を灯すようにして貯め、会社を辞めた矢先に泥棒に根こそぎ盗まれてしまう。そこから杏の浮浪生活が始まる。普通ならお金を盗まれた...
「ちょっと今から人生かえてくる」の読書感想文 今自分が置かれている状況や、踏み出そうとしている未来と重なって、心に揺さぶりをかけてくるような話だった。ここに描かれている人たちはみな、ヤマモトに影響されてなにか一歩を踏み出...
「夏の騎士」の読書感想文 ベストセラーを連発するも、その発言が数々の話題となる奇才、百田尚樹が、最高傑作とし、これをもって小説家を引退するとまで言った作品である。主人公は、現在43歳の中年男。物語は31年前、主人公が小学...
「指の骨」の読書感想文 太平洋戦争中、南方の架空の島の野戦病院に収容された一等兵の主人公と戦友たちの様子を戦争体験のない作者が資料を元に書いたものだ。想像で書いたとは思えないほどのリアリティに圧倒され、引き込まれて一気に...
「蜜柑」の読書感想文 汽車の外、3人の子供が叫ぶ暮色の空に、窓から飛び出した蜜柑の色が輝く。それはまるで太陽のようであった。霜焼けした手に三等切符を握り締めた少女はしっかりと風呂敷を抱えて座っていた。 これは芥川龍之介の...
「長い長い殺人」の読書感想文 長い長い殺人を読んでまず最初に興味を惹かれたのは、登場人物たちの財布が語り部となっていることである。10人の主要登場人物の財布は、自分の主人に起きている出来事を部分的に把握している。部分的に...
「家族ゲーム」の読書感想文 本間洋平著「家族ゲーム」を読んだ。この小説は映画化、ドラマ化もされているが、私がこの話を最初に知ったのは1983年に放送された長淵剛主演のドラマである。型破りな家庭教師が、どうしようもない中学...
「田村はまだか」の読書感想文 「選書サービス」というのに興味を持ち、ネットで検索した時に出てきたひとつが、この本だ。小学校のクラス会の三次会のバーに一人遅れてくる、田村、という男の子を、同級生たちが昔を振り返りながら、た...
「恐怖箱 青森乃怪」の読書感想文 もともと怪談に興味があった私は動画などで済ませていたのだが、ある時怪談ライブにいった打ち上げの際、そこで知り合った方から小説を薦められた。しかし飽き性かつ途中でやめられない性格の私にはと...
「果つる底なき」の読書感想文 本格ミステリー作品で謎がどう解けて行くのか気になり、どんどんと読み進められる作品であった。親友がアレルギー性ショックで死んだ事から始まり、そこに絡み合う人々の思いが、どことなく終始重たい雰囲...
「夜の庭師」の読書感想文 きれいだけれど少し暗めの装丁にひかれて読み始めた。主人公である少女とその弟を中心に話が進んでいくのだけれど、最初は本のタイトルである「庭師」が出てこなかったので、どんな内容の話になるのか想像がつ...
「Tengu」の読書感想文 柴田哲孝によるUMA(未確認生物)をテーマにした小説である。彼のUMAを題材にしたものは1991年に「KAPPA」が発表されており、本作はそれに続くもので、第9回大藪春彦賞を受賞している。また...