〜名作が見つかる読書感想文の掲載サイト〜

読書感想文「月の満ち欠け(佐藤正午)」

「月の満ち欠け」の読書感想文②

面白くてハラハラドキドキした。最初のほうは意味が分からず誰が何をした人なのか、何が起きているのか全くつかめなかったけど次々に人妻の瑠璃さんが生まれ変わって会いに来ている、ということがわかると面白くもあり、切なくもあり、ちょっと怖くもなった。
 
もしかして自分が出会った人たちも意味のあるものなのではないかと乙女チックな気持ちになれる小説だった。あらすじはある程度想像できるが、その時々の登場人物の気持ちが細かく描かれていて切なくなる。私はちょうど子供を出産したばかりに読んでいたので子供の体内記憶や生まれてくる前の記憶など、話ができるようになったら真剣に聞いてやろうと思えた。
 
スカッとするような小説ではないが、こんな人ももしかしたらいるのだろうかと思えるほど本当にあったことのように感じられた。普段当たり前に感じているようなことも誰かにとったらとても貴重なもので、忘れてしまったようなことでも誰かにとったら素晴らしい体験だったこともあるのかもしれない。
 
これから誰に出会って、誰と別れていくのだろうか。今まで自分が築いてきた人間関係もどこかでつながっているのならこれからもつながって、誰かの生きる希望になるのだろう。生まれ変わっても会いに来たいと思われるような人になりたい。
 
だけど本当にそんなことまでされて目の前に出てこられたらちょっと怖いような気もするけど、実際どうなんだろう、と思う。好みや言動は育った環境も大いにあるのだろうけど前世の影響もあるのだろうか。あとはそこまで人を好きになれるのだろうか。
 
生まれ変わっても好きでいられるような人に会えているのか、執着して会いたくてたまらない人がいるようなアツい人になれるのだろうか。自分のこととして考えるのには苦しかったけど、こんな人が世の中には少なからずいるのだろうなと感じた。他の小説も見たみたいと思ったし、この小説に出てくる言葉や短歌など勉強になった。
 
(30代女性)

Audibleで本を聴こう

Amazonのオーディオブック「Audible」なら、移動中や作業中など、いつでもどこでも読書ができます。プロのナレーターが朗読してくれるのでとっても聴ききやすく、記憶にもバッチリ残ります。月会費1,500円で、なんと12万以上の対象作品が聴き放題。まずは30日間の無料体験をしてみよう!!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA