読書感想文「はてしない物語(ミヒャエル・エンデ)」

人が本を好きになる理由は様々だ。私の場合は本を読むと世界が広がるし、知識が身につくというのが本を読む理由だが、ネバーエンディングストーリはそれまで読んだ本とは全く違う価値観を私に与えてくれた。
 
今まで私は本を読む時に傍観者という立場を守ってきた。この本の主人公バスチアンは本を読むのが好きな少年だが、私と同じ理由で読んでいたにすぎないと思う。父子家庭で元気な子供になる事を父親から要求され、外で友達と遊ぶより本を読んでいる方が好きなバスチアン。
 
そんな彼は学校でいじめっ子から目をつけられ、追い回される日々を送っていた。ある日学校に行く途中でいじめっ子に見つかり、追いかけられる途中でコレアンダー書店に入ったバスチアンは、その店でネバーエンディングストーリーという本を見つけるが、

 
 
主人から「他の本は読んだ後に現実世界に戻ってこられるが、この本は危険なので読まない方が良い」という注意を受ける。読まない方が良いと言われると読みたくなるのが人間である。バスチアンもその本をあきらめきれず、書店から持ち逃げする。彼は学校の授業に出ず、物置部屋に行ってすぐに読み始める事にした。
 
ネバーエンディングストーリの主人公は少年アトレイユ。彼は虚無のために崩壊寸前だった「ファンタージェン」という世界を救うために選ばれた勇者だ。「アウリン」というお守りを首から下げて活躍する彼の姿にバスチアンはすっかり夢中になった。彼が物語を読み進めていくうちに不思議な変化が起きるようになっていた。
 
本の登場人物達がバスチアンの存在を知っていて、「ファンタージェン」の救い主として迎えようとしていたのだ。多くの人達が本の世界と現実世界の境界をはっきりとしているのと同じように、バスチアンも本を現実とは別世界だと思っていたが、「ネバーエンディングストーリー」に関しては違っていた。
 
私は現実世界と本の世界を混同することはないが、バスチアンとアトレイユの活躍を見るうちに虚無をなくす事は出来るのかもしれないと思うようになった。多くの人々が現実の生活で夢をなくすために「ファンタージェン」のような世界がなくなるのはとても悲しい事だ。本の世界に入る事は出来なくても、夢を持って生きたいと思う。
 
(40代女性)
 
 
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