読書感想文「さわっておどろく!――点字・点図がひらく世界(広瀬浩二郎、嶺重慎)」
この本は点字、点図に関する内容ですが、全く興味がないという人にこそ読んでもらいたい。というのは、私も今まで点字なんて家電製品やシャンプーなどに少し付いているだけのもので、読み方も、それを読んでいる人も知らないと思っていた...
この本は点字、点図に関する内容ですが、全く興味がないという人にこそ読んでもらいたい。というのは、私も今まで点字なんて家電製品やシャンプーなどに少し付いているだけのもので、読み方も、それを読んでいる人も知らないと思っていた...
心の強い人は、本当はもろいのかも知れない。主人公の正明が信じていたことが、実は恋人の春香や職場の先輩の紀藤にただ騙されていたのだったら、なおさらだろう。正明は人生のすべてが崩れた。小説をすべて読み終えてから、人をだますこ...
経営学の書物であるが堅苦しい教科書のような内容ではなくAKB48やドラゴンクエストなどといった身近に感じることが出来る事例を取り扱っているため楽しみながら読むことが出来る。本の帯には「バカは市場で勝ち残れない。」と少々乱...
死ぬ前にもう一度読みたいと思えた物語だった。これは30代にして不治の病による死を宣告された女性科学者と、彼女によって開発された物語を描くための人工知能「WannaBe」との間で生まれた、一人の人間が死に至るまでの物語だ。...
もうすぐ八月、単なる夏休みという楽しさとは裏腹に原爆の日や終戦記念日が近づくと戦争のドラマの放映など、メディアで戦争についてとりあげられることが多くなる。図書館で平和の展示があったので久しぶりにこの本を読んでみた。主人公...
「賢者の贈りもの」の読書感想文 このお話は、今の私の心にかなり衝撃を与え、大きく響いたお話である。実益にとらわれ、仕事をすることばかりを考えてしまって、愛する人を思う気持ちを忘れていた自分自身に気づかされた。 この話を子...
今、まさに育児中。1年を待たずに育休を切り上げ、職場復帰して早1年の私。職場に対する引け目はあれど育児をしながら仕事をしていても全く自信はつかない日々。昇給・昇格は遠のくばかり。賞与の査定のたびに「どうせ…」と暗澹たる気...
「セロ弾きのゴーシュ」の読書感想文 最初に思ったのは「ゴーシュって、けっこうイヤな奴だ」と。恥ずかしながら、宮沢賢治の名作と言われているこの作品を、40歳過ぎてから初めて読んだので、ファンタジーより現実的に受け止めたのか...
「泳ぐのに、安全でも適切でもありません」の読書感想文 私たちの人生は、生きていくのに安全でもなければ、適切でもない。それでも、もちろん生きていく。それぞれ、オリジナルなやり方で。そんな単純で当たり前なことを、思い出させて...
先送りにされている、医療に関する問題を考えるきっかけとなった。いや、思い出したというほうが正しい。この小説は、近未来の日本に必ず起こるであろう医療に関する問題をテーマにした短編集だ。そのなかに、「出生前診断」をテーマにし...
私はネットで多くの人がこの資本主義を生きるのに一番大事なスキルは簿記による会計だと言っているのを見て、私もお金持ちになりたいと会計を学ぶことにした。しかし、本屋で簿記3級のテキストなどを見るも中身が専門用語だらけで中々手...
「許せないという病」の読書感想文 本書は、「他人を許すことができない」事に罪悪感を覚えたり、それに併発された睡眠障害など、体に異変をきたしてしまった人に向けたものである。著者は精神科医の観点から、医学的に「他人を許す」事...
だめだ、いけない。その部屋に、その壁に近づいてはいけないのだ。読んでいる間、殺人を犯した凶悪な酒乱の男、この本の主人公の、罪が露呈することを、私は極度に恐れていた。この男に同調して、どうにか妻の死体のありかがバレない事を...
北杜夫の『どくとるマンボウ青春期』が面白い。本書は同氏の人気エッセイ『どくとるマンボウ』シリーズの中の一冊で、特に気に入っている。著者の北杜夫は東京都内の麻生中学を卒業した後は旧制松本高等学校で寮生活を送ったが、本書では...
私がこの本を呼んで感じた事は、人生の転機という物、そして人と住む場所ということの価値の大きさです。ストーリーとしては地元で職がない女性が国を離れて働く事を決意するということから展開されてきますが、このことから生まれた土地...
「スイッチを押すとき」の読書感想文 私はこの本を見て学んだことがある。それは『現代社会の正しい生き方』だ。なぜ人は命を持ってしまったら最後まで生きなくてはならないのか、この世界に自分は必要だろうか、この本を読んでいるとそ...
当時高校生だった私は、ここに登場する主人公の女子たちに共感する部分が非常にたくさんあったことで、居心地の悪い青春時代が救われたことを覚えている。高校で生徒達が楽しく過ごす様子にはどうも馴染めず、私は一人、浮いていたと思う...
「残像に口紅を」の読書感想文 この本は、いわゆる実験小説というジャンルの中に入る小説の一つである。「世界から一文字ずつ言葉が消えてゆく」というテーマで物語が進んでいく。初めは、「もしこの世界に「あ」という文字がなかったら...
「時は永遠の旅人である。したがって時が歩みを刻む人生は、旅そのものであるといえる」これがこの書の主題である。「古典に親しめ」との恩師の言葉を思い出し、最近は中国や日本の古典を中心に読み進めている。 「奥の細...
目は口ほどにものを言う、という言葉を聞いたことがあるだろうか。私は、目が大きくはっきりとした顔立ちのため、よくこの言葉を言われていた。表情に気持ちが表れてしまうことを咎められていた訳だが、目だけでなく、人の気持ちは無意識...