読書感想文「オレの宇宙はまだまだ遠い(益田ミリ)」

この物語の良い所は、主人公が30代の男性で年収は平均的、独身、そして将来への漠然とした不安と「自分はこのままで良いのだろうか」という悩みを持っているという部分だと思います。この設定で、まず彼に親しみを感じ、その先の物語が読み易くなりました。
 
また、彼が抱える人生への不安感にも共感出来るところがありました。読んでいる自分自身もちょうど30代で独身で、今の仕事をずっと続けているのか、そして50歳、60歳になった頃はどうしているのか、あまり想像もつかず漠然と心配です。

 
 
この主人公、土田君も将来の生活に不安を感じていて(年金や仕事、結婚のこと等)、それに加えて「“人よりましな人生”は必要ない」という気持ちを持っています。つまり土田君は「あの人の方が自分より大変そうだから、自分はまだ幸せなんだ」とか「あの人の方が能力が低いから自分の方が優れているんだ」といった考えで自分の人生を評価するのは、何か違う気がしているのです。
 
私もその考え方には賛成で、人と比べず、素のままの人生に幸せを感じ、ありのままの自分を好きになることが出来たら(「好き」とまでいわなくても、受け入れられたら)、それが何よりもストレスやコンプレックスから自分を解放してくれるような気がします。
 
それでも、土田君も職場の人を見て「あの人は自分より年上なのにアルバイトの身分だなんて大変だな」と感じたり、「世界中の人に順位がついているとしたら自分は何位なんだろう」とふと思う場面があり、やはり人間は誰かと比べて自分の価値を決めようとし、人からどう見られているかを分析したくなるものなのかもしれないと思いました。
 
そんなジレンマを抱える彼ですが、人との出会いや掛けられる言葉から、自身の信念を貫く気持ち大切にしようという思いが芽生えてきます。この本を読んでいると、私も主人公のように悩み苦しみながらも、最後には自分のあり方を見つけたいという気持ちになりました。
 
また、主人公のように「漠然とした将来への不安」や「自分への自身の無さ」といった悩みを持つことは間違いではないんだと感じられ、読み終わると少し安心感が生まれました。
 
(30代女性)
 
 
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