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読書感想文「奇跡の人 ヘレン・ケラー自伝(ヘレン ケラー)」

「奇跡の人 ヘレン・ケラー自伝」の読書感想文

私は生涯の中で最高の一冊であると思う本がある。それが、「奇跡の人 ヘレン・ケラー自伝」である。ヘレン・ケラーという人物は、言わずと知れた有名人だが、その人生の物語の詳細を正しく知っている人はあまりいないのではないかと思う。この本を読むことで、ヘレンとヘレンに生きる道を示したサリバン先生、二人の壮絶で、愛と勇気に溢れた物語を知ることができる。
 
簡単に二人の事を話すと、ヘレンはわずか1歳で、視力と聴力を失い、見る事も聞く事も話すこともできなくなった。それどころか、言葉という存在自体も知らず、七歳まで生きていた。そんな時に出会ったのがサリバン先生だ。彼女は、ヘレンに言葉の素晴らしさ、人とコミュニケーションをとる事の楽しさ、自分を表現できることの喜びなど、様々な事を体当たりで教えていった。
 
初めは反発していたヘレンも、サリバン先生の愛と根気強い指導により、徐々に心を開き、言葉の素晴らしさに気付いていく。その後、好奇心旺盛な女性へと成長したヘレンの、向上心と好奇心に満ちた生活は、生きるお手本のようだと感じる。この本のすごい所は、読む年代によって、感じ方や感情移入する所が違うということだ。
 
中学生で初めて読んだ時には、「聞こえないし、見えないのに言葉が分かるようになるなんてすごいな。サリバン先生も頑張ったな。私も頑張ろう。」位の感想しか持っていなかった。しかし、大学生になって読むと、ヘレンとサリバン先生がいかにすごい事をしているのか、それを諦めない二人のすごさが分かり、胸が震えるのを感じた。
 
中学生の時には理解できなかった部分を感じ、この話がいかにすごい話か、どれだけの人が勇気を貰えるのかと考えただけでも、感動をしたのを覚えている。さらに、大人になった今、もう一度読み直してみると、サリバン先生に出会うまでのヘレンがいかに孤独だったか、怖かったかを考えるようになった。
 
耳が聞こえず、目が見えず、周りで何が起こっているかも分からず、誰を何を信用していいのか分からない状態であれば、ヘレンの初めの暴れようは、仕方がないと思った。あれは我がままではなく、恐怖や不安の現れだったのだ。それと同時に、サリバン先生のすごさも感じた。自分の子どもでもないのに、ヘレンの心に寄り添えるように、愛を与え続け、諦めなかった彼女を、本当に尊敬する。
 
このように、読む年代、その時の状況などにより、色々なメッセージをこの本からはもらう事ができる。愛、希望、諦めない心、相手の事を考えて行動すること等、様々な事を学び感じる事ができた。しかし、何よりも学んだ事は、「相手を信じる心」と「自分を信じる心」である。
 
相手を信頼していたからこそ、途中で投げ出さずに二人で成し遂げる事ができたし、自分を信じていたからこそ、その可能性に賭けることができたのだと思う。この本には、生きていく上で、大切な事が沢山詰まっている。ヘレンが障害を持っているから感動するのではなく、ヘレンとサリバン先生が、どんな高い壁にぶつかろうと、それを努力して乗り越える姿に感動するのである。
 
私が親になって、子どもに本を読ませるとすれば、必ず一番初めにこの本を読ませるだろう。内容なんて分からないかもしれない。それでも、この本が持つエネルギーを感じ取ってほしいと心から思う。
 
(20代女性)

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4件のコメント

中学生の娘に「読書感想文とはこう書くものだ」と知ってもらうために読ませました。

この読書感想文って賞などとられましたか?
とても良い作文だと思いました❗

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