読書感想文「昨夜のカレー、明日のパン(木皿泉)」

私がこの本を読んで驚いたのは夫が亡くなったのにもかかわらず義父と2人で同じ家に住み続けていることだ。一般的にはたぶん夫が亡くなった時点で同居は解消すると思うし、あえてありえると言えるとしたら義父ではなくて義母だと思う。
 
いくらおじさんとはいえ男性ですから、嫁とは血がつながってないわけですから、世間一般的には不思議に思うだろう。親がいないわけではなく、それでもこの家に住み続けるというのは血ではなく義父と心から親子になっていると解釈するのが一番しっくりくる。
 
それでも恋人がいてプロポーズもされて、悩むことなく義父との生活を選ぶと言う。ほんとの親だったら恋人にプロポーズされたら出ていっちゃうと思うのだけど、義父だから出ていけないのかもしれない。私はまだ夫を亡くしていないし義父とも同居したことないから同じ気持ちになることはありえないと思うけど、夫を亡くしたテツコと息子を亡くした義父が同士として癒し合っているということでいいのだろうか。
 
7年も住み続けて2人だけの生活ペースが出来上がっていてまるで夫婦のようだとも言える。恋愛感情はない夫婦、そんな感じだ。義父を看取るとも言っているテツコはずっとそこにいるってことの決意かもしれない。隣に住んでいるムムムが義父との交流で少しずつ引きこもりから脱出していく様子も温かい気持ちになった。

 
 
ムムムを励ましてるつもりがいつの間にかムムムが義父を励ましていたり。私はどちらかというと人づきあいが苦手であり、あまり関わりたくないと壁を作るタイプだけど、テツコや義父をみていると私ももう少し前向きにがんばらねばならないかなとか考えたりする。
 
人ってやっぱり人と話したり相手のことを考えてみたりすることで生きる励みが出てくるのかもしれない。私はあまり生きる励みがないような気がしてつまらないと思っているけど、自分から作っていかないといけないと反省した。
 
義父の奥さんは占い師に義父の周りの人間は早死にするから結婚するなと反対され、それでもいいと嫁いだわけで、でも結局ほんとに早死にしちゃってついでに息子もさらに早死にしちゃって占い師の言うことは当たってるわけで。
 
そうなると嫁のテツコも義父のそばにいるかぎり早死にするのかなと不安が残る。私は小心者だからたとえ占い師の発言でも、気になってしまって結婚やめたりするかもしれない。そういうことを振りきってこの人と結婚したいと思える相手に出会えたこと自体が幸せだと思う。私も自分の意思を大事にして残りの人生を生きていきたい。
 
(40代女性)
 
 
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