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読書感想文「終末のフール(伊坂幸太郎)」

「終末のフール」の読書感想文

この本で、私は「いかにして日々生きていくか」ということを学んだ。終末のフールは短編集だが、どの設定も「3年後に地球に隕石が落下してしまう」ということ。登場人物たちはどう生きるか悩みながらも、皆が自分らしい選択をする。その何パターンかの人生を読んでいるうちに、3年後に隕石が落下しなくても、自分の人生には限りがあるではないか、と思った。
 
そして、だからこそ私自身も日々自分らしく生きていくべきではないかと。この本を読んだ時、私は就職して1年ほど経った時で、仕事がとにかく辛かった。面白くなかった。食品の開発職に就いていたが本当に自分にこの職業が合っているのか甚だ疑問に思い始めていた。
 
しかし、「お金のため」、「一年で辞めたらかっこわるい」「転職大変そう」など、様々な理由をつけて、現状を我慢して過ごそうとしていた。笑顔がなく、淡々と過ごしていた。そんな中、この本の登場人物の人生を読み、皆が自分らしく、かつ、楽しく過ごそうと道を切り開いていることを感じた。 
 
3年後みんな死んでしまうことはわかっているけれども、子供を産むという選択をした夫婦、ボクシングの練習を日々続けているボクサー、自殺することをやめた家族。どれも大きな決断だと思った。隕石のおかげで決断できた者が大半だったが、ボクサーに関しては隕石が落ちようと落ちまいと自分の生き方は変わらないと言う男性だった。
 
現実では、隕石が落ちることは近いうちはなさそうだ。では、私はボクサーの考えのようになろうと思った。そして他の登場人物と同じように、苦しいことから逃げず、自分が楽しめる道を歩もうと思った。
 
そして、私は大きな一歩を踏み出し、転職活動を始めた。そして、元々人と話すことが好きな私は現在接客業をして楽しく過ごしている。例え明日のニュースで隕石が落ちることがわかっても、私はこの仕事を続けるだろう、と思うほどの情熱で。
 
そうだ、こういう人生を送りたかったのだと思った。いつ自分の人生が終わろうとも、自分らしく楽しく生きることで後悔のない人生を送っている充実感が日々私を満たしてくれている。
 
(20代女性)

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