読書感想文「きらきらひかる(江國香織)」
「きらきらひかる」の読書感想文① 読み始めると、なんとなく気だるい雰囲気がした。アル中の妻にホモの夫、脛に傷持つ者同士である。お互いに恋人がいる。なぜ結婚したのだろう?読み始めてすぐに興味を持った。生きるため?それぞれの...
「きらきらひかる」の読書感想文① 読み始めると、なんとなく気だるい雰囲気がした。アル中の妻にホモの夫、脛に傷持つ者同士である。お互いに恋人がいる。なぜ結婚したのだろう?読み始めてすぐに興味を持った。生きるため?それぞれの...
SF短編小説集ではあるが、この中に収録されている「オメラスを歩み去る人々」は考えさせられる。マイケル・サンデル『これからの「正義」の話をしよう』でも取り上げられた作品だが、正義とは何なのか?自分の幸福を支えているものは何...
「これは王国のかぎ」の読書感想文 この本は児童書なので読みやすいが、内容はとてもしっかりしていて読み応えがあるものだった。この本を読んで子供向けの本であるのにも関わらず大人の私でもひきこまれてしまう内容だった。 世界観が...
この本を読んで、私は人生の中で間違ったものは一つもなく、たとえ間違ったこともでも、成功するため、幸せになるための過程になるのだと強く感じました。幼いころの理不尽ないじめ、一般的にはいじめている方が悪い、悪だと思われている...
「向日葵の咲かない夏」の読書感想文① 「向日葵の咲かない夏」はミステリーである。従って、これを読んだからといって自己啓発的に気分が明るくなったり、悩み事が解決したり、また何かの新たな知識を得たりするようなことはない。本当...
「ワーキング・ホリデー」の読書感想文 『和菓子のアン』のように身近な職業物語であり、この作品も心温まるストーリー仕立てだから、『家政婦は見た』ではないけれど、覗き見気分で読めてとても面白かった。私はホストクラブに全く縁が...
「太宰治全集〈1〉」の読書感想文 「苦悩」の時期に書かれたこの作品は私が初めて太宰治に触れた作品でした。この作品は短編集ですが、その中で一番最初に読んだのが、最後の「狂言の神」です。それまで太宰治の作品に一度も触れなかっ...
「羆嵐」の読書感想文 1915年(大正4年)12月9日 ~ 12月14日に実際に起こった獣害事件、開拓民7名が死亡、3名が重傷を負った「三毛別羆事件」を元に書かれた小説なのだが、多少の脚色はあるにしても登場人物の名前以外...
「ミーナの行進」の読書感想文 ミーナは小学6年生の女の子である。彼女は喘息の発作に悩まされ入退院を繰り返す日々を送っていた。体は細く、2年生くらいにしか見えない。しかし髪の毛は栗色で色白、誰もがこうなりたいと願うほどの美...
夢と現実の乖離は苦しいものである。その葛藤を描いているこの小説に私は感銘を受けた。画家になりたい、ミュージシャンになりたい、プロ野球選手や俳優、音楽家、漫画家…などに一度は憧れを持った人も多いと私は思う。私もその内の一人...
この題名を見たときはいったい何の本だろうと思っていた。ただ、その当時、私は社会人から大学生になりたい、と希望を抱えていたものの、仕事との二足のわらじ、時間を作るのは難しい・・・と試行錯誤していた。仕事も忙しくなり、また面...
「冷静と情熱のあいだ―Rosso」の読書感想文 この作品を知ったきっかけは、ダ・ヴィンチという小説雑誌だった。二人の作家の合作というキャッチコピーに惹かれ、本屋にいった。最初ハードカバーで発売されている二冊の表紙を見たと...
本書には『生後13ヶ月は一生の基礎をつくる大切な時期、行動はすべて赤ちゃんの要求を中心にすべきだ。』という野口晴哉氏の言葉が出てくる。私は、この本をお手本にして子育てをしてみようと、初めての子供を授かる前から心に決めてい...
「博士の愛した数式」の読書感想文① 私は最初はこの小説の映画を見た。映画を見たら小説が気になったので、小説を読む事にした。主人公の博士の交通事故による後遺症、80分しかもたない記憶や博士の数学についての説明など、映画で見...
田舎の町に住んでいたせいで、小学校から中学校に進級してもたいして代わり映えもせずに、転校生が1人か2人いるくらいで、学校生活のなかで周囲はずっと同じだった。その毎日繰り返される閉鎖空間のなかで、何人かが飽きはじめて自然に...
「水木しげる」と聞くと直ぐに「ゲゲゲの鬼太郎」が思い浮かぶ。この本のタイトル「ほんまにオレはアホやろか」に惹かれて読んでみた。あの有名な鬼太郎が生まれる前の紆余曲折な人生と水木しげるという人物の魅力も知った。  ...
「奉教人の死」の読書感想文 奉教人の死は「聖人伝」の「聖マリナ」が典拠と言われている。作者がどこを変え、何を訴えたかったのか知りたかったので、「聖マリナ」も一緒に読んでみた。 マリンという名前をろおれんぞに変えていること...
「チーズはどこへ消えた?」の読書感想文① 元々読書に興味がなく、人生で完読した本は3冊程度しかない私が半ば強制的に読まされた本だ。2000年に発行され今までロングヒットをしている本らしいが、私は手元にするまで見たことがな...
「テレヴィジョン・シティ」の読書感想文 もう20年も前に書かれたものであるが、その衝撃的なラストが今でも記憶の片隅から顔を出す時がある。「捨て去る事に限界はあるのか?」というテーマが、予想だにしなかった形で私の心に突き刺...
「マザーズ」の読書感想文 この本を読んで、私はあらためて母親というのは孤独な職業だと感じた。この作品はマザーズという題名からも分かる通り母親たちの物語だが、これは物語に共感できる母親たちよりも、子供を持つ父親、親を持つ子...