読書感想文「こころ(夏目漱石)」

この本の中で私が特に印象に残っているのは最終章である。人間関係などの悩みがあると私はこの最終章を読み返してしまう。最終章は先生の懐古録のようになっている。これまでの自分の生き様や後悔、なぜ今このような生活をしているのかについて記されている。先生は大きな後悔を背負って生きている。その大きな後悔を背負っていなかったら先生はどのような人生を送っていたのだろうか。

 

この本を読むたびに、私は思う。人生に「たら、れば」は存在しないのだと。やってしまったことをいくら後から悔いても、取り返しのつかないことがある。だからこそ、人は正直に真っ直ぐに生きなければいけないのだと思う。先生は下宿先の娘さんに恋をする。しかし、先生の友人で同じく下宿しているKも同じ娘さんに恋をしていた。Kは娘さんへの恋心を先生へ告白し、結婚を申し出るもりだと伝えていた。

 

そんなKの思いを知り、先生は先に娘さんの母親へ結婚を申し出てしまう。そんことを知ったKは、怒りもせずその後、自害してしまう。つまり先生は、Kに一生の十字架を背負わされたのだと私は思った。好きな女性と結婚ができ最高の人生を送ることができるはずだった。しかし、背負ってしまった十字架はとても大きい。それでも、愛する女性を手放したくはない。

 

先生は愛する女性と結婚することはできたが、同時にそのことがきっかけで友人を死に追いやってしまった。おそらく、自分のとってしまった行動について後悔しても仕切れなかっただろう。人との関係はときにとても難しい。友人と同じ人を好きになってしまったり、意見が合わずケンカになることもある。しかし、そこで自分本位な行動をしてしまうことで、その相手との縁が完全に切れてしまうこともある。

 

腹を立てているときは、それで良くても後々で後悔をする。しかし、それでは遅いこともある。冒頭で人間関係に悩んだときに、最終章を読み返すと書いた。私はこの本を読むと、悩んでいる関係にどう接することが一番、後悔しないか冷静に考えることができる。

 

(20代女性)

 

 

 

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