「西の魔女が死んだ」の読書感想文①
私は大学受験に失敗し、あまり行きたいと思わなかった大学に進学することになり、かなり落ち込んでいた。入学後は、大学をやめようかどうか本気で悩んでいた。そのころに出会った一冊の本が、「西の魔女が死んだ」である。もともと自然が好きで、自然の中での生活にあこがれていた私は、「西の魔女が死んだ」の世界観が大好きになった。
自分も、主人公のまいと、まいの祖母と一緒に、自然の中にいるよな感覚に陥ったものだった。自然の中で生きて、自然の中でできることをしているおばあちゃんが、とても大好きだ。俗世と離れて暮らしている感じだったり、人間そのものの生き方を表しているような感じだったりがしたのである。
そして、物語も、当時の私にはとても興味がわくものであった。なぜなら、主人公のまいは、学校で友人とうまくいっていなかったのである。私も当時友人とうまくいっておらず、年齢は違えど、とても親近感がわいたものであった。まいは、学校の友人とうまくいっていなかったために、おばあちゃんの家でゆっくり過ごすことにするのである。
私もそのようなことをしてみたくなったが、「西の魔女が死んだ」を読んでいるだけで、一緒に現実逃避している気分になれた。おばあちゃんは、ストレートにまいに学校のことを聞くことはせず、ただ、魔女になるための魔女修行を教えてくれた。まいがまいであることを認めてくれた。私も一緒に認めてもらっているような気がした。
まいとおばあちゃんは、悔いの残るような別れ方をしてしまったが、それ以上に教えてもらったものの方が大きかったから、まいにとってはおばあちゃんとの思い出は、本当に良い思い出だろう。私は「西の魔女が死んだ」にはまってしまい、あっという間に読み終えてしまった。
そして、読みながらまいと一緒におばあちゃんの話を聞き、魔女修行をし、少しだけではあるが、精神的に成長できたと思う。少なくとも当時の私は、「西の魔女が死んだ」から勇気や元気をもらうことができ、大学をやめようという気持ちはなくなった。
そもそも大学をやめたくなった理由は、友人関係がうまくいってなかったからであり、大学そのものではなかったということもある。しかし、私にとって友人関係がうまくいかないことはとても大きく、本当に悩んでいたのだ。「西の魔女が死んだ」を読み、私は私でいいし、無理に友人をつくったり、友人と仲良くしたりしなくても良いのだということがわかった。
そんな気持ちで大学生活を送るようになってから、不思議と、友人ができるようになった。心から分かりあえる友人である。考え方や気持ちが一つ変わるだけで、生活もこんなに変わるものなのかと驚いたのを覚えている。今でも、自分の生き方に自信をもって生きることができているのは、「西の魔女が死んだ」を読んだおかげなのではないかと思う。
(20代女性)
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