読書感想文「書店ガール(碧野圭)」

主人公は、大手書店ペガサス書房吉祥寺店副店長の西岡理子(40)と熱血お嬢様社員の北村亜紀(27)、この二人はいつもぶつかる。例えば冒頭の亜希の結婚式でもだ。招待客の中にいる独身アラフォーの西岡理子は彼氏と別れたばかりで面白くない。つい、亜希の結婚相手とは違う元カレ「三田」の名前を亜希が聞こえるぐらいの声で口にしてしまう。それを聞いた亜紀は一直線に怒る。そして、理子からもらったご祝儀袋を付き返すのだ。

 

この箇所を読んだ時、本当に面白いと思った。女同士の対立をここまでストレートに書いた本は中々ないのではないかと思う。仕事上でもバイトの女の子が指示するコミック作家のサイン会を亜紀が企画するが、売上げが見込めないと理子はバッサリ切り捨てる。そして、本屋によくあるオススメ本を紹介するポップも、品がないと亜紀を切り捨てる。亜紀が新しい事を企画すると、理子は必ず否定から入るのだ。しかし、理子がペガサス書房初の女性店長になったあたりから、雲行きが変わる。

 

 

 

女性が上司になる事を気持ち良く思わない社員たちに、理子は嫌がらせをされるのだ。その理子を擁護するのは人一倍正義感が強い亜紀だ。せっかく女性店長になったのだから、後進に道を作って欲しいと亜紀は理子に言う。亜紀もまた結婚して夫から子供が生まれたら家庭に入って欲しいという事を言われていた。女性が働く事を気持ち良く思わない男性がこの物語には多数登場する。その男性たちを理子と亜紀が手を組みバタバタと倒していく。二人はまた書店員として、本を愛し、仕事意識が高い。

 

前半はその高い仕事意識のせいでぶつかる二人だったが、後半は書店を守りたいという気持ちで結ばれるのだ。女同士の友情物語へと急展開する。敵対していたもの同士が手を組み更に強い敵を倒すという展開はよく少年漫画などでもあるが、働く女性がしても胸が熱くなる展開に同じ働く女性として共感を覚えた。読後はとにかく元気が出る不思議な感覚になり、この本がこれからの人生を応援してくれているのだと思った。

 

(30代女性)

 

 

 

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