読書感想文「ローマ人の物語 (2) ハンニバル戦記(塩野七生)」
ここ数年、日本が自衛隊から軍隊に移行するというニュースをよく耳にする。戦後日本の教育は戦争アレルギーといっていいほど武力の行使に反対的な意見を貫いてきた。しかし人類の歴史は戦争の歴史といっていいほど文明、文化の発達を語る...
ここ数年、日本が自衛隊から軍隊に移行するというニュースをよく耳にする。戦後日本の教育は戦争アレルギーといっていいほど武力の行使に反対的な意見を貫いてきた。しかし人類の歴史は戦争の歴史といっていいほど文明、文化の発達を語る...
羽生という男は最初は嫌いだった。山岳会という組織に属しながら我が儘を言う姿やアルバイト先での協調性のなさ、そして自分の登山観を強引に人に押し付ける傲慢さなどすべてが嫌だ。象徴的な部分が山岳会のエベレスト登頂の時である。隊...
私は、この本の読後感が大好きだ。戦争の話が大半を占めているにも関わらず、戦争の悲惨さはあまり感じずに、主人公の成長がすばらしくて、読んだ後に晴れやかな気持ちになって終わることができた。とくに、上巻の主人公が幼い時の話には...
私は、この本を今まで何度読んだかわからない。読み終えるたびに、リッチな気持ちになることができるのである。普通の生活の中では、決して訪れることがないような高級店や日常からかけはなれたフランスでの優雅な生活がまるで自分が体験...
「あん」の読書感想文① ハンセン病という病について、私はほとんど知らなかった。それどころか、ニュースでその名前だけは知っていたものの、詳しく知ろうともしていなかったのである。 この話を読んで、そんな自分が恥ずかしくなる思...
「人魚の眠る家」の読書感想文① この世には狂ってでも守らなきゃいけないものがある。そして子どものために狂えるのは母親だけである。これは、6才の愛する我が子が脳死になり、その子のためにできうる限りのことをした母親のセリフで...
著者は、ハードボイルド作家なので、この本を手にした時はいったいどんな出来事が起こるのかドキドキしていた。ところが、主人公の望月拓馬はめちゃめちゃ軽くいい加減な奴だった。そこで、祖父の差し金でこの極悪人専用超高級マンション...
私は今、インドネシアで生活を送っている。あまり知られていないが、インドネシアは世界最大のイスラーム人口を誇り、2億5千万の人口の9割がイスラームだと言われている。実際、私の周りにもイスラームの人たちが大勢いるし、友人も多...
「沼地のある森を抜けて」の読書感想文 この世の中は、「男」と「女」で構成されている。男女がお互いを好きになり、結婚し、子供をつくり、その子供がまた異性と出逢い…。そうやって、私たちはこの世界を維持し、発展させている。しか...
日本以外の先進諸国では、筋力以外で男女の能力に性差はない、差がある場合は男女によるのではなく個人の差であるとされて長い。その点日本においてはいまだに、男性脳、女性脳などといってあたかも男女による違いで家事や仕事に適不適が...
私がこの本を手に取ったのは、結婚相手が恐ろしくモノを溜め込む癖があり、なんとか改善できないかと思っていたからだ。買ってすぐ旦那にプレゼントしようかとも思ったのだが、自分自身が内容を読まずに押し付けるのも…と思い、読んでみ...
「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」の読書感想文 身の回りの全ては数字が関わっている。数字を知ることは、その奥にあることを想像し、知ろうとすることだ。わたしがこの本を読んで最初に持った感想である。著者はさおだけ屋、高級料理...
「十五少年漂流記」の読書感想文① 私がこの物語を読み終わりまず最初に感じたことは、「人と人の間に国籍とか、人種とか考え方の違いという壁があったとしてもそれは必ず超えられるものなんだ」ということだ。この本は漂流した少年たち...
「サラバ!」の読書感想文 「サラバ!」は私に今までの生きざまを「正しかった」と認めてくれた本であった。ママ友のランチの時にママ友が紹介してくれた本が「サラバ」だった。子育てに忙しい日々を送る毎日で読書とはすっかり離れた生...
「河童・或阿呆の一生」の読書感想文 この作品は芥川龍之介氏がパラレルワールドを表現している奇しくも、滑稽なSF小説である。まず、羅生門や地獄変の氏の作品のイメージとは一線を画した作品である。 主人公はおそらく人生という道...
「火星に住むつもりかい?」の読書感想文 この物語はとてもリアリティのあるファンタジーだと思った。危険そうな人物は拷問にかけられ処刑されるという恐ろしい設定があるが、読んでいくとなるほど、「あり得るかもしれない」と思わされ...
この本を読んでまず感じたことは、人を骨まで愛することのすばらしさと、それとはうらはらに愛し過ぎることによって回りが見えなくなると、簡単に犯罪行為ができてしまう人間の脆さ、弱さを感じた。 愛するということは、...
「カッコウの卵は誰のもの」の読書感想文 タイトルを見た時には、このような複雑な展開になるとは思ってもいなかった。まさかの展開に様々な人の思惑が重なり、心理サスペンスの面白さにドンドン引き込まれていった。 始めは、『ちゃれ...